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自然界のナチュラルビューティーがトップを競うなら、間違いなく今年の女王に選ばれるのは、ココナッツオイル。デザートにも、ヘアマスクにも、爪の甘皮にもココナッツオイルは大活躍! ニキビ治療にも効果があるのか、アメリカ版ウィメンズヘルスがドクターたちに聞いてみた。

ココナッツオイルって何が特別なの?

「ココナッツオイルは、成熟したココナッツの果肉から抽出した食用油です」と説明するのは、ニューヨークに勤務する皮膚科専門医、シャリ・ マルベイン医学博士。「99パーセントが脂肪で、主に飽和脂肪酸のラウリン酸で構成されています」

中鎖脂肪酸であるラウリン酸には、抗菌作用や抗炎症作用があるので、ニキビと戦う武器になってくれるよう。

ニキビ改善に役立つココナッツオイルの使用方法はいくつかある。「多くの人が、オイルクレンジングや保湿剤、ニキビ治療薬としてココナッツオイルを使っています」と、マルベイン医学博士。

ニキビ治療にココナッツオイルを使って大丈夫なの?

ラウリン酸がニキビ治療に有効であることは実証済み。しかし、ほとんどの研究が、純粋なラウリン酸を用いて実験されたもの。これについてマルベイン医学博士は、「ココナッツオイルに含まれるラウリン酸は、50パーセントにすぎません。純粋なラウリン酸でない限り、ココナッツオイルがニキビに有効だとは言えません」と回答した。

マルベイン医学博士は、ココナッツオイルをニキビ治療に使用することは勧めていない。「毛穴を詰まらせ、ニキビが悪化する可能性は高いです」

しかし、ニューヨークのマウントサイナイ病院で美容臨床研究長を務める皮膚科専門医のジョシュア・ツァイヒナー医学博士は、ココナッツオイルにもメリットがあると述べている。「伝統的なニキビ治療にココナッツオイルは役に立ちますが、軽度のニキビを除いてはそれほど効果的ではありません」と話す。

ニキビ治療目的ではなく、保湿目的で使うべき

「ココナッツオイルをニキビ治療薬として使用することはおすすめしません。ワックスのように、肌の表面を覆い毛穴を詰まらせる原因になるので、重度のニキビを誘発しかねません」とマルベイン医学博士。「メイク落としとして使用する場合は有効かもしれませんが、私なら低刺激性のクレンザーやミセラウォーターを使用します」

もし、ココナッツオイルをスキンケアに使いたいのなら、皮膚科「SmarterSkin Dermatology」の創設者であるセージャル・シャー医学博士いわく、オイルを2度目の洗顔でしっかり洗い落とすことが重要だとのこと。毛穴を詰まらせやすいので、オイルの残留物が肌に残らないように注意して。ダブルクレンジングを徹底すれば、ニキビを誘発するリスクもなく、ココナッツオイルの恩恵が得られ、しっとり肌を手に入れることができるとのこと。

ツァイヒナー医学博士は、従来のニキビ治療薬の使用を継続するべきだと言う。「ココナッツオイルには抜群な保湿効果が備わっているからです。ニキビ治療のため局所的に使用するレチノイドと相性が良く、治療効果を最大限に得られる可能性もあります」レチノイドは、肌の炎症を引き起こしやすいと言われている一方で、ココナッツオイルは保湿のエージェントとなってくれるよう。

多くのニキビ治療薬は、肌を乾燥させ、必要な皮脂を除去してしまうのだとか。「ニキビを治すためだけでなく、ニキビ跡を改善するためにも、肌のバリア機能を維持することが極めて重要です」と話すのは、本来のテキサス州ヒューストンの皮膚科専門医でメトロポリタン皮膚科研究所に勤務するジェニファー・M・シーガル博士。

乾燥肌は改善に時間がかかり、おまけにニキビができやすいのなら、ニキビ跡が残る確率は増える。水々しく栄養が行き届いた健康的な肌であれば、ニキビ治療薬に含まれる代表的な成分、レチノイド、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイルなどに負けることもない。

どんなココナッツオイルを買うべき?

ニューヨークの皮膚科専門医で、美容皮膚科「Craig + Austin Medi Spa」の創立者、リビー・リー医学博士によると、未精製ココナッツオイルが良いとのこと。「天然な脂肪酸のバランスが良く、保湿剤として使用するのに最も効果的です」香料が入った物は避けて。ニキビや敏感肌を招きやすいんだそう。

購入するときは、未精製で香料フリーの「ローオーガニックヴァージンココナッツオイル」を選ぼう!

ココナッツオイルの代わりに使用すべきニキビ治療薬は?

全ての人に効果があるニキビ治療の万能薬はない。しかし、マルベイン医学博士は、オイルフリーで毛穴を詰まらせないタイプのスキンケア製品の使用を勧めている。ニキビが酷い場合は、必ず皮膚科医に相談し、包括的なアドバイスを受けるように。

「大抵の患者さんは、レチノイドを配合した処方薬(レチンAクリームなど)と市販薬のディフェリンゲル0.1パーセントを組み合わせて治療します。過酸化ベンゾイルや局所抗生物質を処方する場合もあります」とマルベイン医学博士。「加えて、大人ニキビに悩む女性には、経口避妊薬や抗アンドロゲンのスピロノラクトンを服用することが非常に有利な場合もあります」

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text:Grace Gold and Daley Quinn Translation:Yukie Kawabata Photo:Getty Images