いつの間にかピーナッツバターを半分ペロリと平らげ、何がどうしてそうなったのか分からないことがある? 好スタートを切ったのに、無意識のうちに午後のおやつを食べている。行動が習慣化すると、その規模にかかわらず、変えることは難しい。
米国デューク大学の研究によって、習慣は脳内の特定の回路になかなか消えない足跡を残し、欲望を煽ることが分かった。これで、習慣を変えるのがさらに困難になる。
同研究は、何かに依存すると他の不健康な習慣もつきやすいことも示しているそう。
だから午後のおやつが深夜の間食に繋がり、最終的に朝食をスキップしてしまう。
そろそろ賢く行動し、この流れに逆らわないと。フィットネスの女王、カイラ・イチネスはこう語る。「私はロボットじゃないから、家でアイスクリームが欲しくなって実際に食べることもある。でも、アイスクリームが食べたいのはたぶん体が糖分を求めているから。だから、出勤前には小さじ1杯のハチミツを入れた紅茶を飲むようにしている。そのおかげで、帰宅後にアイスクリームが欲しくなることはほとんどない」
カイラのアプローチに詳しい人なら、彼女が食品群を丸ごと取り除くことに反対なのは知っているはず (実はアイスクリーム自体がアイスクリーム類という食品群)。でも、ストレス、不安、退屈さから特定の物を食べすぎないよう彼女が警告しているのも事実。
「疲れていると、どうすれば元気が出るか考える。アイスクリームは欲しくない。じゃあ、今一番手っ取り早く食べられる物は何だろうと考える。すると、その答えがアイスクリームなのよね。現に何かが食べたいのではなく、体がエネルギーを必要としているだけなのに」
こんな時こそ、自分の行動を意識して習慣を変えるべき。でも、食べるとホッとする “癒しのフード” を常備してるからやめられない?
行動神経科学の専門誌に掲載された研究結果によれば、どんなに純粋に習慣を変えようと思っても、周りの環境によって脱線することがあるという。
研究チームは、特定の食品は栄養価が低いことを思い出させるリマインダーなど、シンプルな介入策を講じるよう勧めている。
なぜならそれが、角砂糖がコーヒーテーブルに乗っていても使わない、ケーキを手渡されても食べないといった行動に繋がるからだとか。
不健康な食べ物を目につかない場所に移し、ヘルシーなスナックを準備して手の届くところに置いておけば、習慣を変えるのも欲に打ち勝つのも楽になるかもしれない。
悪い習慣を変えるためのカイラからのアドバイス
カイラは、悪い習慣を断つには、その原因を特定し理解してから、それを良い習慣で置き替えるのがいいんだそう。
悪い習慣を断つ方法
1.癖を特定するためのノートを作る
「私の悪い癖は爪を噛むことだった」 というカイラ。
「これ以上小さくならないっていうところまで爪を噛んでいたら、友達に “どうして爪を噛むの?” って聞かれて、“あなたの爪、なんでそんななのよ” って顔をされた」 らしい。
「誰にも聞かれたことがなかった。みんな “なんだその爪、気持ち悪い” って言うだけで。だから彼女に言ったのよね。私が爪を噛むのは考え事をしている時か、かなりナーバスな時か、怖い映画を観ている時だって」
「自分で言って初めて気付くものなのよ。だからノートに “爪を噛む” って書いて、その要因と対策も書き留めた」
2.頻度の追跡を忘れない
こまめに出る癖ほどノートに書いておく必要がある。定期的に記録を付ければ常に念頭に置いておけるし、もっと意識するようになる。
その癖に対処するための措置を取らざるを得なくなるので、結果的に好ましい思考や行動で置き替えることができる。
3.要因を取り除く
悪い癖を定期的に特定しノートに書き留めた以上、習慣を変えるまでの道のりはいたってシンプル。
火傷を防ぐ最も簡単な方法は火に触れないこと。要因を取り除いてしまえば、そそのかされることも減り、習慣を変えやすくなる。
栄養に関する悪習慣を変えるには?
水を充分に飲んでいない
ウォーターボトルを持ち運び、こまめに飲むようにすること。飲んだ量を記録し、1日中リマインダーを送り続けてくれるアプリも使ってみて。
朝食をスキップしている
これには睡眠パターンが絡んでいるかもしれないので、朝食の時間が充分取れるように起きること。
最低限の努力で満腹になるように、簡単に作れる朝食を1~2種類用意しておこう。
不健康な間食をしている
ヘルシーな食事とスナックを作り置きしておけば、そこまでお腹が空くことも減ってくるはず。
まだ食べたいと思うなら、どこへ行くにもヘルシーなおやつを詰めること。
エクササイズに関する悪習慣を変えるには?
疲労を理由にトレーニングをしない
自分の体のことは自分が一番分かっているもの。だから本当に疲れているのか、単なる言い訳なのかも分かっているはず。
自分で決めたルールは守って。でも、体調が悪い時や疲れ果てている時は休むことが大切。
体に力が湧くように、ヘルシーでバランスの取れた食生活を必ず続けること。
充分に休んでいない
トレーニングのしすぎは、すぐけがをして進歩が遅れる原因の一つ。
週単位のワークアウトプランナーを使って、体に過剰な負担を欠けないようにすること。
生理中はワークアウトを休む
生理が始まった段階では、まだトレーニングできるかも。軽いウォーキングだっていい。
体の声に耳を傾け、身体的にトレーニングできる状態じゃないと感じるようなら休めばOK。ただ、生理を言い訳にはしないで。
ライフスタイルに関する悪習慣を変えるには?
睡眠不足
ヘルシーなライフスタイルには充分な睡眠が不可欠なので、他のことより優先すること。テレビを観たり、インスタをスクロールしたりするより睡眠が大事。
規則正しい生活を送り、体を睡眠に備えて。起床時間だけなく、就寝時間にもアラームをかけてみよう。毎日同じ時間にベッドに入る習慣がつきやすい。
飲みすぎ
飲むことではなく、飲みすぎることが問題。これを防ぐには、出掛ける前にリミットを設定すること。
リミットに達したら、アルコール飲料から水やフルーティーな味わいの炭酸水に切り替えて。ジュースや糖分控えめのソフトドリンクも、ほどほどならOK。
鎮痛剤の使いすぎ
けがや病気には鎮痛剤が役立つこともあるけれど、非常に依存しやすいので注意が必要。
気休めに飲むのはやめて、本当に必要な時にだけ使うこと。痛みが長引くなら、医師の診察を受けて問題に対処しよう。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Aleesha Badkar Translation: Ai Igamoto Photo: instagram of @kayla_itsines
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。