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7日間で5キロ痩せる! 劇的な減量を可能にするかもしれない「キャベツスープダイエット」は危険!? 極端な食事制限を必要とするとダイエット法に警報を鳴らすのは、管理栄養士たち。そこで、食事制限をしたダイエットのデメリットや注意点、スープをダイエットに利用する正しい方法などをアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

キャベツスープダイエットって何?

「このダイエットは本気で恐ろしい」 と言うのは、米国ワシントンD.Cを拠点とする公認管理栄養士のエラーナ・ナツカー。

「信じられないほど食事制限が多く、摂取できる食品群もごくわずか」

このダイエットにおける主な食品群の一つはキャベツスープ。それも大量の。実際に、キャベツスープダイエットの専門サイト「Cabbage-Soup-Diet.com」いわく、良い結果(=減量)を出すには、

・自家製のキャベツスープを1日に3~4回飲む
・フルーツ、野菜、スキムミルクかアーモンドミルク、玄米、ジャガイモ、鶏肉、魚または牛肉など、キャベツ以外にも食べられる物はあるが、特定の日に決められた量を摂(と)ることしかできない。

<例>
1日目:キャベツスープとフルーツ(バナナ以外)を好きなだけ食べられる。飲み物は無糖のお茶、クランベリージュース、水。
2日目:野菜(生でも焼いてもOK)とキャベツスープ、ディナーはご褒美にベイクドポテト。※フルーツは食べちゃダメ。
3日目:フルーツ、スープ、野菜の全てが食べられる。しかしベイクドポテトは食べちゃダメ。

このような感じで、4日目以降も、限定的な決められた食材を食べていく。

キャベツスープに含まれているもの

玉ネギ、ピーマン、マッシュルーム、にんじん、トマト、セロリ、そしてもちろんキャベツ。野菜の量が多いにもかかわらず、ナツカーによればキャベツスープダイエットは不健康な食生活を後押しするもの。玄米やフルーツジュース、野菜を胃袋に詰め込み、たった1日で最大8本ものバナナを食べるよう勧めているのが、そのよい証拠だ。

キャベツスープダイエットのメリットとデメリット

認定スポーツ栄養士で『Lean Habits for Lifelong Weight Loss』の著者であるジョージー・フィアーも、「スープとフルーツと野菜だけなんて、とにかくバランスが悪い」 と注意を促す。

<メリット>
フルーツと野菜のおかげで、食物繊維が豊富に摂れる。

<デメリット>
おなかを満足させたり筋肉を維持するための脂肪がほぼ皆無。言い換えれば、体がむくむまでキャベツスープを飲んでいるのに、たった2~3時間で無性におなかが空くこともあり得る。


<結果>
「どんなに食べても満腹感が続かないので、食べること自体に飽きるという悪循環に陥ってしまう」 (公認管理栄養士のエラーナ・ナツカー)

このダイエットの思わぬ落とし穴

キャベツスープだけで7日間をなんとか生き延びれば、たぶん体重は減っている。でもフィアーによると、減った体重のほとんどは水分。つまり、通常の食生活に戻れば、減らした体重が戻ってくる確率は高い。

しかも、キャベツスープダイエットのような低カロリーの食事法では、代謝がいつにも増して不活発に。分量に関するガイドラインがほとんどないので、1日あたりのカロリー摂取量の見当もつけづらい。ナツカーの推定では、スープと野菜だけで過ごす日のカロリー摂取量はわずか1,000キロカロリー。バナナ、ミルク、牛肉、玄米をつけ足す日には1,000キロカロリープラスだけれど、たぶんその分スープを飲む量が減る。

フィアーによると、キャベツスープダイエットを行うと、代謝率の決定的な要素である満腹ホルモンのレプチンが減る。その結果、1日のカロリー消費量が、ダイエットを始める前より300~700キロカロリー少なくなる人がほとんどだという。通常の食生活に戻るとすぐにリバウンドしてしまうのは、このためなのだ。

ダイエットで減らした体重を長期的に維持するために

本当におなかが空いているときだけ食べたり、バランスの取れた食事をしたり、レストランでヘルシーなオプションを頼んだりという持続可能なスキルを身につける必要がある。だから7日間、キャベツスープとバナナばかりをおなかに詰め込むことを学んだところで何の役にも立たない。

ダイエットで使える賢いスープの摂り方

スープを食生活の中心とするのではなく、肉や魚を煮出したスープであるブロスベースのスープ を食生活に加えるのは、数キロのダイエットを加速させる素晴らしい方法。食事の前に飲めば、さらに効果的。

ブロスベースのスープは、例えば無料のパンのバスケットよりも低カロリーでありながら、しっかりおなかを満たしてくれるので、後のメイン料理とデザート を貪り食うこともなくなる。事実、食欲に関する専門誌が発表した研究では、食事の15分前に低カロリーの野菜スープを飲んだ人の合計カロリー摂取量が、スープを飲まなかった人に比べて20パーセント少ない結果となった。

ヘルシーかつ持続可能な方法でスープを食生活の一部とするには、ミネストローネや野菜スープといった、野菜がたっぷり入ったブロスベースのスープを、少しずつ飲むこと。ただし、クリーム系のスープはNG。スープが大好きなら、1日1杯飲めばOK。フィアーによれば、スープ自体を食事にしてもいいし、前菜にしてサラダやサンドイッチ、ギリシャヨーグルトのようなタンパク質と食物繊維が豊富なスナックと組み合わせてもいいそう。

これならキャベツスープみたいに、1時間後にひどい空腹を感じることもないはず!

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Lauren Bedosky Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images