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計画的に病気になる人はいない。それどころか、みんな不安障害じゃないかと思うくらい必死に避けようとする。手のひらにくしゃみをしない、鶏肉は必ずピッタリ170℃のオーブンで調理、幼稚園から細菌を連れてくる子どもにはホースで水をかけて石鹸でゴシゴシ。就寝前に何度塩水でうがいをしようと、抗菌性のハンドソープを手を洗おうと、それでもやっぱり、ときどきお腹がゴロゴロしたり喉がイガイガしたりするんだから大変。

突然ダウンして動けなくなり、今日も昼間のテレビドラマを観ている。体のいたわり方、間違っているのかな? いや、たぶん何も間違っていない。でも、まだまだ出来ることはある。特定の食べ物や飲み物には生まれつき免疫を強化する力が備わっている。ご利益を賜るために、さあ、口を開けてアーン。

紅茶で風邪対策

温かい紅茶なら何でもいいわけじゃない。イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究によると、病気の予防に役立つのはカモミールティー。2週間にわたって1日5杯のカモミールティーを飲んだ人々に、ポリフェノールと呼ばれる植物成分の血中濃度の上昇が見られたんだとか。ポリフェノールの中には、抗菌作用を高めるものも。研究リーダーのエレイン・ホームズ博士によると、血中濃度の高さは、カモミールティーをやめた後も2週間維持されたという (カモミールティーには、軽度の神経弛緩作用と鎮静作用のあるアミノ酸グリシンの血中濃度を高める働きもある)

殺し屋を使う

私たちの体内には殺し屋が住んでいる。マクロファージと呼ばれ、骨髄の奥深くで生成される白血球の一種であるこの殺し屋は、体内を歩き回り、バクテリア、ウイルス、その他の侵入者に対してケンカを仕掛ける。でも、殺し屋が勝つにはあなたの助けが必要。食物繊維の一種であるベータグルカンがないと、殺し屋が作動しないから。米国イリノイ州エヴァンストンのブロック統合がん治療センターで栄養教育ディレクターを務めるデイヴィッド・グロット公認管理栄養士いわく、そのベストな供給源はオーツ。スティールカットオーツには、調理時間が短くて済むロールドオールの2倍のベータグルカンが含まれている。

成功に欠かせないドレッシング

ランチにサラダを食べるのはスマートだけれど、無脂肪のドレッシングをかけるのはスマートじゃない。アイオワ州立大学の研究によって、食事で脂肪を摂取しないと、病気と闘う野菜の栄養素の一部が体に吸収されないことを発見したそう。この研究では、7名の参加者が12週間にわたってサラダを食べ、毎食後に血液検査を受けた。無脂肪のドレッシングを使った人々は、免疫力を高める抗酸化物質カロチノイドの吸収に常に失敗していたんだとか。

研究リーダーのウェンディ・ホワイト博士は、吸収力のある腸細胞にカロチノイドが届くには脂肪が必要だとしている。オリーブやナッツオイルの良質な脂肪を含むドレッシングを選ぶのがポイント。冒険心があるなら自家製にトライ。イタリア風ドレッシングには、エクストラバージンオリーブオイルとバルサミコ酢を2:1もしくは3:1の割合でミックス。アジアンなテイストには、ごま油と米酢を3:1の割合で混ぜてみよう。

ホエイでバイ菌をやっつける

ウィスキーのショットでも気分は良くなるかもしれない。でも、免疫力アップにもっと役立つのはホエイプロテインを使ったドリンク。ホエイには、体内でグルタチオンに変わるシステインというアミノ酸が豊富に含まれている。グルタチオンは、バクテリアやウイルス感染と闘う細胞を強化するパワフルな抗酸化物質。タンパク質を高濃度で摂取するには、通常の濃縮版よりもピュアで高価なホエイプロテインアイソレートパウダー (分離版) を使うのがおすすめ。ホエイプロテインパウダーかヨーグルトで朝のスムージーをパワーアップしてみて。ヨーグルトに浮いている透明な液体は、ピュアなホエイプロテイン。捨てずにヨーグルトと混ぜ合わせよう。

鶏肉よりもトマト

風邪の進行を食い止めるにはチキンスープ。そもそも風邪を引かないためにはトマト。アメリカの臨床栄養学専門誌が発表した実験では、被験者がトマトたっぷりの食生活を3週間送り、その後トマトなしの食生活を3週間以上続けた。するとトマトを食べている間の被験者には、感染症と闘う白血球に対するフリーラジカルのダメージがトマトをやめた後よりも38%少なかったそう。フリーラジカルは、細胞を傷つけ不安定にする体内の原子。研究チームは、トマトに含まれるリコピンが抗酸化作用を発揮し、白血球がフリーラジカルの攻撃に対抗するのを助けるのではと推測している。

自然のアレルギーには自然でしっぺ返し

フキなんてくしゃみが出そうな名前ではあるけれど、西洋フキのサプリメントにはアレルギーと闘う力がある。スコットランドの研究では、草と花粉に対するアレルギー患者が50ミリグラムのフキエキスを1日2回摂取したところ、プラシーボ (偽薬) を飲んだ患者に比べて鼻の通りが13%良くなったんだそう。

イギリスの医療専門誌に掲載された別の研究文献では、季節性アレルギーに対する西洋フキの効力は、処方薬のジルテックに比肩すると報告している。この文献の著者であるアンドレアス・シャポワル医学博士によれば、西洋フキは、くしゃみ、痒み、鼻詰まりといったアレルギー性鼻炎のあらゆる症状に効果的なんだとか。アレルギー反応を引き起こす化学物質であるロイコトリエンをブロックすると同時に、好酸球と呼ばれるアレルギー反応が起きたときに蓄積する白血球をコントロールすると言われているそう。副作用で眠くなることもない。

スポーツドリンクを飲む

ゲータレードには、厳しいワークアウトからの回復を助けるだけでなく、インフルエンザから体を守るパワーもあるかもしれない。運動栄養学専門誌が発表した研究では、きついエクササイズの15分ごとにスポーツドリンクを1カップ以上飲んだトライアスロン選手の免疫反応が、プラシーボを飲んだ選手よりも著しく良い結果となった。

食事にはワイン

心臓に良いとされる食事中のワインには、食中毒を未然に防ぐ効果もあるという。米国オレゴン州立大学の研究チームは、ワインには大腸菌、リステリア菌、サルモネラ菌という食品に潜む3種類の一般的な病原体を阻止する力があることを発見したんだとか。臨床実験においても、エタノールと有機酸を含み、pH度が低いというワインの特徴が病原菌の遺伝物質を乱すことが確認されている。どのワインにもある程度の効果があるけれど、一番パワフルなのは赤ワイン。

辛いものを食べる

複数の動物実験と臨床実験が、唐辛子を辛くするカプサイシンという化合物が病気の予防に役立つことを明らかにしている。3週間毎日カプサイシンを摂取したネズミの体内では、抗体を作る細胞の数がカプサイシンを摂らなかったネズミの約3倍になった。抗体があればあるほど、風邪や感染症にかかりにくい。

この研究のリーダーである韓国ウルサン大学のリナ・ユ博士によると、カプサイシンのような辛い化合物を含む物を食べると免疫力が高まることを過去の研究が示唆しているそう。要は、辛い物を食べることに害はないということ。少なくとも、少量のホットソースにはちょっとしたデトックス効果が期待できる。

ダイエットをする

余分な体重を減らせば、循環器系疾患や糖尿病のリスクが低くなるだけでなく、免疫システムの強化にも繋がる。米国タフツ大学の研究チームが、若干太り気味の人々に1日の摂取カロリーを100~200キロカロリー抑えるよう指示したところ、体重とコレステロール値の低下に加えて、病気の原因となる微生物に対する免疫反応が改善する結果となったそう。

その正確な理由は分かっていないけれど、研究チームは様々な要因の組み合わせで起きたことではないかと推測している。でも、1日200キロカロリーのカロリーカットは間違いなく簡単。今度の外食では、サワークリーム付きベイクドポテトの代わりに温野菜を頼もう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images