寒くてオシャレを楽しめない? 手足が冷えて寝つきが悪い? 本格的な寒さ到来の前にマスターしておきたい、自宅で簡単にできる体温を上げる方法をご紹介。お話を聞いたのは、『深部体温を上げれば、やせる!不調がとれる!!』などの著書もある、コンディショニングトレーナーの有吉与志恵先生。冷えがとれる「リセットコンディデョニング」とは。
冷えを放っておかないで!
「手足が冷たい、不調が続く、などの症状を自覚していても、体質だと諦めてしまっている人は多いはず。けれど、私たちの体には体温を保ってくれる『ホメオスタシス(恒常性)』という機能が備わっているもの。これは、常に体温(36度5分〜37度)を一定に保とうとする、身体の自然なメカニズムなんです」
体温が下がると、自律神経が乱れてむくみ、倦怠感、便秘、頭痛、不眠などの症状が現れるんだとか。そんな不調は放っておかずに、いますぐ改善のためのアクションを!
低体温に効くリセットコンディショニングって?
「体温を上げるには、深部体温(体の深部の筋肉と内臓の温度のこと)を上げるのがポイント。過度の運動や運動不足によって質の下がった筋肉は、筋繊維どうし、または筋繊維と筋膜がくっついて、その間を通る血流をふさいでしまっている状態。リセットコンディショニングは、そんな筋肉の質を高める運動なので、滞っていた血流が改善され、筋肉とその周りの内臓が温まり、深部の冷えがとれるというわけ」
自宅で簡単! リセットコンディショニング
「リセットコンディショニング」は、筋肉の力を抜いたまま、揺らぐような刺激を与えて、筋肉元来の反応、働きに戻していく運動。だから、筋肉の緊張や収縮を避けるためにも、できるだけ筋肉に意識を向けないよう注意して。
①胸椎クルクル
左右の腕を交互に上げ下げして、胸椎、胸郭、肩甲骨まわりをリセット。
三角にひざを立てて、仰向けの姿勢に。両腕を天井に向けて上げたら、その姿勢を保ったまま左手を右手より高く上げる。
左手をもとの位置に戻したら、右手をより高く天井に向けて上げる。この動きを左右交互に、リズミカルに行って。
②腰椎トントン
膝を胸に向かって引き寄せて、骨盤、腰椎を整えよう。
三角にひざを立てて、仰向けの姿勢に。首下には丸めたタオルをセット。ひざと足はそろえるのがポイント。両手で両ももの裏を支え、太ももが床に対して垂直になる位置まで両足を上げる。両ひざを胸に向かって小さく引き寄せて。息を吸いながら足を戻し、この動きを繰り返そう。
③脚クルクルトントン
脚をしっかり脱力させ、股関節、膝関節をリセット。
床に座り、片脚は伸ばした状態に。ひざ下には丸めたタオルを入れて。伸ばした脚のひざ横あたりを両手で持ち、脚を手でクルクルとまわして。このとき、かかとを支点にまわすことを意識して。
同じ体勢のまま、今度は伸ばした脚をトントンと脚を上下に動かして。膝裏を軽く床に打ちつけるイメージで。もう片方の脚も同様に。
⑤足首グルグル
足と手の指をしっかり絡ませて足首をまわせば、ひざから下のリセットに。
床に座り、左脚は伸ばした状態に。伸ばした脚のひざ下には丸めたタオルをセットして。右ひざは曲げて、左脚の上に。右足首を右手で支え、左手は足指と絡めた状態に。
絡めた手で足首をぐるぐるとまわす。左右同様に行って。
④肩ブラブラ
オフィスでもできる、肩関節のリセットで肩の歪みを改善。
肩を上からおさえて、脱力した状態で腕をぶら下げる。
そのまま腕を前後に小さく振って。あくまでも動きを小さくすることで、肩に力が入らず効果的。
⑥ハンドエクステンション
筋肉をきちんと使えば、指先の毛細血管にまで血液が届いてポカポカに。
楽な姿勢で座る、または立った状態で、片方の腕を伸ばして。手の甲を上に向けたら、指を開いて。
そのまま手首を上に持ち上げて5秒キープしたら、一気に脱力。この一連の動作を手がポカポカするまで繰り返し、もう片方の手も同様に。
これらの動作を1日10分~15分行うと、体温アップ! ぜひ試してみて。
Photo:Gettyimages Text:Sawako Motegi
筋肉を鍛えるよりも整えることで体調と体型を劇的に改善できる「コンディショニングメソッド」を確立。現在はセルフコンディショニングの指導や学校・企業などへの講演会も行っている。自身のメソッドを提供する「Natural muscle」を都内に展開中。