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デジタルデバイスは、姿勢と目が悪くなるのはもちろんのこと、ブルーライトの影響から肌にもダメージがあるという。最近では、ブルーライト対策のスキンケア商品も続々登場しているけれど、なぜブルーライトが肌にダメージを及ぼすのか? そしてそもそもブルーライトってどんなものなのか? 今回は、イギリス版ウィメンズヘルスがブルーライトと肌の関係について皮膚科医に聞いてみた。

ブルーライトとは?

まず光の種類から確認しよう。
「日光は、紫外線(A波やB波)や可視光線、そして赤外線を含む複数の波長から成っています」と説明するのは、皮膚科医のアンジャリ・マウト。「紫外線A波とB波については、日焼け対策や日焼け止めの話の中でよく耳にすると思います。一般的には、紫外線A波は肌の老化、B波は肌の赤みや日焼けをもたらすと言われています。太陽放射の約10%は紫外線、40%は可視光線、50%は赤外線。可視光線のごく一部分は、高エネルギー可視光線(HEV)として知られています」

ブルーライトとは、この高エネルギー可視光線の虹色スペクトルのうち、青い部分に含まれる光のこと。

皮膚科専門医のゲイリー・ゴールドフェドンによると、「高エネルギー可視光線は主に太陽から放出されるものです」。それに比べて少量とはいえ、高エネルギー可視光線は、パソコン、スマートフォン、蛍光灯などのデバイスからも発されている。

ブルーライトで肌が老ける? 

太陽もパソコンもブルーライトを発していることは分かったけれど、その問題点は?

ゴールドフェドン医師の話では、「一部の研究によって、高エネルギー可視光線がコラーゲン(ふっくらしたハリのある肌をキープするのに必要なタンパク質)を破壊し、過剰な色素沈着や肌の変色などを引き起こす可能性が指摘されている」そう。

また、「高エネルギー可視光線は、フリーラジカル(コラーゲンやエラスチンを破壊する反応性の高い分子)に関連しています」とマウト医師は補足する。「高エネルギー可視光線がフリーラジカルを作り出した結果として現れるのが、肌のシワやたるみです」

そして、高エネルギー可視光線はスマートフォンやテレビなどの画面からも発されるため、電子機器が肌を台無しにすると言われている。
マウト医師は、「現時点では、スマホよりも太陽が放出する可視光線にさらされる可能性の方が高いので、スマホを使うからといって慌てる必要はない」と考えている。

フリーラジカルと肌の老化や色素沈着の間につながりはあっても、ブルーライトと肌の老化を直接結び付ける研究結果は少ない。また、その多くには決定的な論拠が欠けており、隙も目立つという。

ブルーライト対策のスキンケア商品は使うべき?

光の出所にかかわらず、肌のブルーライト対策は積極的に行うべき? 
マウト医師によれば、「今のところ、一般的な日焼け止めで紫外線A波とB波はブロックできても、他の波長はブロックできないので、青い波長もカバーする日焼け止めか、抗酸化作用のある(フリーラジカルから肌を守る)美容液を使う価値はあると思います」

ブルーライトと過剰な色素沈着の関係は?

加齢によるシミや黒皮症(顔に茶色やグレーの斑点ができる皮膚疾患)などの色素沈着に悩んでいる人にとっては、ブルーライト対策は特に重要な意味を持つ。マウト医師いわく、「色素変化の原因は可視光線にあることを指摘するデータもあります。その可能性は色の濃い肌で特に高く、色の白い肌では低いです」

そして、ブルーライトで肌年齢が増すことも「ありえる」とマウト医師は続ける。「ブルーライトから肌を守るスキンケア商品が、肌の老化防止に役立つという証拠がないわけではありませんが、それも解釈の仕方次第です」

念のため、スキンケア商品でブルーライト対策をしたい人はどうすればいいのだろう? 
ゴールドフェドン医師のアドバイスは、「環境またはデジタル要因のダメージを防止・修復するには、汚染物質から肌を守るスキンケア商品を使うのがベスト。まずは、汚染された古い皮膚細胞を角質除去と洗顔で取り除いてください。次に、汚染物質から肌を守る美容液、またはアンチエイジングや美白効果のある美容液を使い、保湿クリームで成分を肌に閉じ込めます。最後に、SPF30以上の日焼け止めを塗って肌を守りましょう」というもの。

おすすめの成分は? 「汚染物質と戦う成分の中で最も強力かつ評判が高いのは、ルイボスティー、フェルラ酸、ビタミンC、レチノール、そしてレスベラトロールです。日常生活ではブルーライトを遮断するメガネや、スマホやパソコンのスクリーン用フィルターが役に立つこともあります」

ブルーライトと肌の老化の関係は?

1日に浴びるブルーライトの大部分は、スマホやパソコンのスクリーンより太陽光によってもたらされている可能性が高い。でも、ブルーライトがコラーゲンを破壊した結果、たるみなどの老化サインが出てくることは十分に考えられる。よって、紫外線A波やB波と同じように、ブルーライトからも肌を守る価値はある。でも、高エネルギー可視光線をブロックする抗酸化物質入りの美容液や日焼け止めがあれば、ブルーライト対策用の新しい化粧品をわざわざ買う必要はないということ。

 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Claudia Canavan Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。