コラーゲンは本当に魔法のパウダー?
注射、パウダー、ドリンク、錠剤など色々な形のコラーゲンの商品が出ている。コラーゲンはまるで、おとぎ話に出てくる魔法のドリンクのように扱われている。でも、本当にこれを飲むことで、肌や身体の加齢を遅くすることできるのか。
ニュートリコスメティクス市場は、2020年に50億ポンド規模まで大きくなると言われている。そんな状況も考えると、コラーゲンの効果はあると言えそう。今や、イギリスの38%の人がビタミンやミネラルなどなにかしらのサプリメントを使ってシワを予防しようとしている今、コラーゲンのサプリメントは話題のトピック。
「コラーゲンサプリメント」という単語は、保湿剤と同じくらいGoogleで検索されている単語。コラーゲンは肌にハリを与えて、水分レベルを上げる効果があるとされるので、注目されるのも分かる。
今ではコラーゲンはさまざまな形で手に入れることができる。でもあまりにもたくさんの選択肢がある中、よいものを見分けるのは至難の技。最近の研究によると、ふっくらとした肌とたるんだ肌との違いは、皮膚構造を支えている網目のように張り巡らされている繊維のコラーゲンマトリックスの密度で決められるそう。
コラーゲンサプリメントを摂るメリットとは
「人間の皮膚の75%はコラーゲンでできているけれど、25歳を過ぎると毎年1.5%ずつ生成する力が落ちていくそう。そして45歳を過ぎると30%も減少している、とRejuvenatedの創業者、カチリン・ダンジーは話す。
これは目に見える変化として、シワ、乾燥した肌として現れるだけでなく、病気という形でも現れてしまう。また、コラーゲンは、靭帯、関節や骨がばらばらにならないようにくっつけているものなので、それが減ると身体的な症状も出てしまうそう。
つまり、毎日の食事にコラーゲンを加えることで、肌だけでなく、骨や関節、髪や爪の健康も助けることになる。
「ヒドロキシプロリンはアミノ酸の一種で、コラーゲンの生成を行うもの。そして加水分解マリンコラーゲンはこのアミノ酸をその他のコラーゲンより多く含んでいる」とダンジー氏は説明する。
「Natural Medicine Journal」に発表された研究でも同じようなことが示唆されている。この研究では、市販のコラーゲンダイエットサプリメントを6ヶ月間摂取した女性を調べると、結果、毛穴の目立ちや色素沈着が大幅に軽減されたそう。
「Ⅰ型コラーゲンは肌の中でも最も多く存在するタイプのコラーゲンで、その量は加齢による内側と外側の両方からの変化によって著しく減少してしまう」とアニタ・スターンハム皮膚科医は説明する。「タイプⅠ型コラーゲンを補充することで真皮層のコラーゲンを増やし、肌を強化する働きがある」と話す。
コラーゲンドリンクの仕組みとは
コラーゲンはドリンクとして飲むことで他の方法よりも血中に早く吸収される。コラーゲンペプチドは繊維芽細胞を刺激して、肌に元からあるコラーゲンを活性化させてくれるそう。
「口から摂取することでこの加水分解コラーゲンが体内に吸収されて、身体に90%から95%が届く」とダンジー氏。
コラーゲンはダイエットも助けてくれる。グリセリンを多く含むのでコラーゲンは、お腹の酸の生成を活発化させてくれるので消化を助けてくれる。
より吸収を高めるためには、コラーゲンサプリメントを一日のうちに時間帯はいつでもよいが、食事の1時間前か1時間後に摂るとよいそう。目に見える変化のためには8週間から9週間つづけてみて。その後は必要に応じて飲むようにすればよい。
否定的な意見も
コラーゲンサプリメントの効果を疑う人は、ドリンクで飲んでも肌には届かないと言う。これは、コラーゲンはタンパク質の一種なので、消化の中で分解されてしまうのがこのようにネガティブに言われてしまう理由。
判定は
コラーゲンサプリメントに関しては良い面も悪い面もどちらも多くある。コラーゲンの入った美容液は肌の表面にしか届かないのは確か。しかい、コラーゲンを食べて血中に吸収された後、身体のどこに届くかを決めるのはほぼ不可能。
一部の科学者は、分子が小さな断片に分解され、血中に吸収されて身体全体に行きわたると話す。そして身体はコラーゲンが壊れたものみなして、修復が必要だと思い繊維芽細胞がコラーゲン、エラスチンやヒアルロン酸をつくることになる。コラーゲンなどの成分が肌を若々しく見せてくれる。
ただし、まだ調査は必要。調査の結果が出るまでは、コラーゲンサプリメントを摂るのなら、質の良いものにした方がよさそう。
Text:Natalie Lukaitis Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images