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ホットヨガを始めたいけど、通常のヨガとの違いは汗をかくことくらい?
今回は、ヘルスケアサービス「Northwestern Medicine」に務める運動生理学の専門家、ジョリアン・ナンバーズが、アメリカ版ウィメンズヘルスにホットヨガのメリットとデメリットについて詳しく解説してくれた。

ホットヨガのメリット

1. 体が柔らかくなる

ホットヨガでは「室温は38度前後に設定されています」とナンバーズ。湿度は40%から60%程度に保たれているそう。
室内が暖かければ、筋肉が伸びやすくなる。高温多湿のスタジオだからこそ、「可動域を広げ、各ポーズをするにあたり、しっかりと筋肉を伸ばすことができる」とのこと。ナンバーズいわく、熱が、筋肉をよりしなやかに柔らかくしてくれるそう。通常の涼しいヨガスタジオとは異なり、室内の暖かさによって、思った以上に筋肉を伸ばすことができる。

2.エクササイズの強度が上がる

ホットヨガの温度の高いスタジオは、心臓のポンプ機能を早くする。「体内で発生した熱を血液によって皮膚に集め、その熱を体外に放出して体温を下げようとするため」と、ナンバーズは説明。涼しい室内で行うヨガに比べ、心臓の拍動がさらに上昇するので、優れた有酸素運動になるというわけ。

3.ストレスが軽減する

空調が効いた快適なスタジオで行うヨガは、心に落ち着きや平穏をもたらしてくれる。「室内が蒸し暑いため、必然的に呼吸に集中するようになります」とナンバーズ。リラックス効果やストレス解消を求めるのなら、深い呼吸をすることが極めて重要に。

4.肺活量を増やす

ナンバーズは、「ホットヨガによる呼吸のエクササイズをすることで、空気をより多く取り込めるように肺を鍛えることができる」と話す。深い呼吸をすると、肺が広がり、肺活量が鍛えられ、血液中やほかの臓器に酸素を送り込みやすくなるという。

5.カロリーを大幅に燃焼する

「心拍数を上昇させる動きは何であれ、カロリーを燃焼させて減量を促進します」とナンバーズ。ホットヨガはカロリー燃焼に非常に有効とのこと。ランニングやジャンプなど激しく体を動かしているわけではないけれど、高温多湿の部屋が心拍数を上昇させるんだそう。米国スポーツ医学会の学会誌『Medicine & Science in Sports & Exercise』に掲載された論文によると、ホットヨガのセッションで、90分間のスローな動きを実践した結果、女性は平均333kcalを燃焼することがわかった。通常のヨガより動きが速いヴィンヤサヨガと組み合わせることで、さらにカロリー燃焼を狙える。

ホットヨガのデメリット

1.熱疲労を起こすリスクがある

ホットヨガのスタジオで暑さに耐えられない場合は、「血圧が低い可能性があり、めまいや吐き気を催します」とナンバーズ。
クラスが始まって最初の30分間は、汗をびっしょりかき、心も体も浄化されて心地よい気分に浸れたとしても、全てのセッションを通して体の感覚や不調には早めに気付くようにすること。特に、ホットヨガを始めたばかりの人は気をつけて。

2.脱水症状を起こす

大量に汗をかくホットヨガでは、ヨガを始める前とレッスン中にしっかりと水分補給を行うことが大切。「高温多湿の環境は、吐き気や失神、筋けいれんを引き起こすことがあります」とナンバーズ。しかし、十分な水分補給を怠らなければ、このような問題をあらかじめ防ぐことができるそう。

3.けがをする

「室内の温度が高いと筋肉の柔軟性が高まるので、つい無理しすぎてしまいがちです」とナンバーズ。「ポーズをとっていく中で、気付かないうちに筋が伸ばせる限界を超えてしまうことがあります。レッスンを終え、通常の温度に戻るまで筋肉の痛みに気づきにくいのも難点です」

4.ホットヨガは、全員に適しているわけではない

妊娠中の人や、心血管疾患または心臓病患者にはホットヨガは不向きとのこと。ホットヨガを試してみたいけれど不安がある人は、医師に相談することが必須。また、スタジオの高温多湿の環境に不快を感じる人は、どんなに友人に勧められようとも、あなたにとってホットヨガは最適なエクササイズではないと判断して。

5.ホットヨガをする際に備えておくべきこと

ナンバーズいわく、水分補給が鍵とのこと。ホットヨガを受ける24時間前から、水分を十分に補給しておくといいそう。電解質も一緒に摂取できる飲料が望ましい。ヨガの前に食事をする場合は、消化の時間を考慮して、2時間前に済ませておく必要がある。
「通気性が高く、吸水速乾性素材のもので、大量に汗をかいても快適なヨガウエアを着用することをおすすめします。想像以上に汗をかきます」とナンバーズ。
体の声には必ず耳を傾けること。めまいがしたら、動きを止めて電解質を含む飲み物で水分をしっかり補給して。

ホットヨガは安心して行える楽しいエクササイズ。でもホットヨガを受ける前に、安全対策を行い、体に気を配ることだけは忘れないように。気がかりがある人は、迷わずに医師に相談すること。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Aryelle Siclait Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。