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正しい姿勢を身につけるのは健康的な生活を送る上で欠かせないのに、後回しにされがち。背筋や姿勢にこだわるだけで、人生がどれだけ変わるだろうか? 現代人はデジタルガジェット中心の生活のために姿勢が崩れ、呼吸が満足にできていないと識者は語る。また姿勢によって、作業の効率やなんと気持ちにまで違いが出ることが研究によって判明。今を生きる私たちと切っても切れない関係の「姿勢」のトラブルとその原因、すぐにできる「正し方」までチェック!

1.デジタル生活は効率的な呼吸を妨げる! 姿勢と呼吸の密接な関係とは?

認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストで、米メイヨー・クリニックの 「健康な暮らしプログラム」 専属理学療法士のアリン・ダカート。

アリンによると「適切な姿勢で立つと横隔膜がより効率的に働くようになるので、呼吸が楽になり疲れにくくなる」 そう。

「パソコンの画面に覆いかぶさるような肩が丸まった前かがみの姿勢では、息を吸っても胸郭がうまく広がらず、横隔膜を圧迫するどころか息の量が減ることもあるため、非常に効率が悪い」と語るのは、とフィラデルフィアの認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト、ヘンリー・ハルセ。

「逆に効率のいい呼吸をすると、体内を流れる酸素と二酸化炭素の量がうまく調節されるので、エネルギッシュな状態でいられる」と、ヘンリー。

2.関節を正しい位置に導いて、結果、消費するカロリーが増える

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ハルセによると「姿勢がいいと血行が改善し、吸い込む酸素の量が増えるので、ワークアウトがラクに感じるようになる」そう。

背筋を伸ばして立つと、体のさまざまな関節が自然と正しい位置に。そのため「特にヨガやピラティスのようなワークアウトでは、姿勢が悪い人よりも体の動きが良くなり、結果的にカロリー消費量が増える」らしい。

3.頭痛の原因の一つにもなりかねない悪い姿勢。簡単にできる姿勢の「正し方」

よく緊張型頭痛に襲われる人は、姿勢が悪いからかも。ダカートいわく、「緊張型頭痛の原因は首や背の上部、顎の筋肉に凝りがあることが多い。

その凝りのほとんどは、頭と肩が前に出ている姿勢から来るもの。これらの部位の凝りが慢性化すると、トリガーポイントができる。これが、場合によっては頭部の放散痛 =問題のある場所とは全くかけ離れた部位の痛みを引き起こす」

この頭痛を避けるには、姿勢を正すこと。耳と肩が一直線上に並んでいるのを確かめてから、肩を軽く押し下げて耳との距離を離し、肩甲骨を背中の中央に向かって“締める”習慣をつけるのが良いのだとか。

4.関節や筋肉への負担が減るので、トラブルと縁遠い体へ!

姿勢が悪いと、体のあちこちにトラブルが生じる。ダカートの話では「肩関節や首、その周辺の筋肉に大きな負担がかかり、痛みやけがの原因になることも」。

「ある研究によると頭が2.5センチ前に出るたびに、背骨に掛かる頭の重さが4.5キロ増えることが判明」。
骨盤を前に傾けてしまうのも、よくある姿勢の問題。背骨を圧迫し、背中や腰が痛くなるばかりか体幹の力も衰えてしまうことも。

また「姿勢が悪いまま暮らしていると、いずれ腱の炎症である腱炎(けんえん)や骨による炎症などの厄介な問題が出てくる」とハルセは注意を促す。姿勢を正せば筋肉の配列とバランスが良くなり、関節への圧力やけがのリスクが低下する。

5.異なる姿勢の研究から判明! もしかして、ストレスが減る?

オークランド大学の研究によれば、背筋を伸ばすとストレスに強くなることが分かった。

この研究では被験者がランダムに2つのグループに分けられ、1つ目のグループには背筋を伸ばした姿勢、2つ目のグループには前かがみの姿勢で、精神的なストレスになりそうな課題を行うよう指示があった。

課題の終了後、姿勢が良かった被験者からは 「熱中できた、ワクワクした、自信があった」 という声が上がったのに対し、前かがみだった被験者は 「怖かったし、過酷だった」「緊張もした」「グループがひっそりしていた」「言われたからやった」「退屈だった」「眠かった、だるかった」 というネガティブな感情を報告。

研究チームは背筋が伸びると血糖値の急上昇などの「生理的覚醒」が促進され、ストレスにうまく対処できるようになるのでは、と考えている。

姿勢が悪いとホルモンおよび神経系の機能が乱れ、気分にも影響が出るかもしれない。

※この記事は当初、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Krissy Brady Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。