お菓子の生地をふっくらさせ、お掃除をする際も何かと役立つ重曹（ベーキングソーダ）。ところが美容好きの間では、歯のホワイトニング効果から、洗顔料としてなど、さまざまな場面で効果を発揮してくれると評判。でもどこまでが本当なの？
アメリカ版ウィメンズヘルスでは、世に出回るベーキングソーダの美容や健康効果について、専門家が徹底検証。
1. 胸焼け解消の手助けになる？
A. 医師の判断を仰ぐのがベスト
胸焼けを治める簡単な方法として、ベーキングソーダを水に溶かしたものを長年飲んでいると教えてくれたのは、国際食品情報協議会で栄養情報通信の副会長を務める管理栄養士のアリソン・ウェブスター 医学博士。
pH7以下で「酸性」とされる胃酸には、水に溶かすことでph7以上の「アルカリ性」になるベーキングソーダを流し込むことで中和効果が得られて、症状が緩和されるとか。
でもDIYな療法には、残念ながらリスクもつきもの。「ベーキングソーダを過剰に摂取することで酸塩基平衡が乱れ、深刻な心臓血管や呼吸器官、そして神経系の異常に発展してしまうことも考えられます」とウェブスター医学博士は忠告。
人によって効き目はあるものの、自己判断でベーキングソーダで解決しようとする前に、まずは市販薬や処方薬を服用するべきか医師に相談しよう。
2. 口臭を消し、虫歯のリスクを減らしてくれる!?
A. 効果はあると考えられる
「ベーキングソーダが口腔（こうくう）ケアに効果をもたらすことは実証済みです」とウェブスター医学博士。「ベーキングソーダが持つ抗菌作用により、口臭の原因となる細菌を取り除き、虫歯予防の働きをしてくれます」
3. ベーキングソーダ+過酸化水素でDIYホワイトニングが実現？
A. 過度な使用は控える必要があるが、効果的であると考えられる
アメリカの歯科医師会誌「Journal of the American Dental Association」に2017年に掲載されたメタ分析によると、ベーキングソーダが含まれている歯のホワイトニング製品の方が、含まれていないものに比べてホワイトニング効果があると、研究から実証されているそう。
ホワイトニングキットを買おうか検討中なら、まずはベーキングソーダと過酸化水素で歯を磨いてみては？ ただし、毎日の使用は避けよう。過度な使用はトラブルを招く恐れがあるので、3日間続けて使用したら、次は半年ほど期間をあけてから使用すること。
4. 皮脂を吸収し、角質をオフする効果から、クレンジングとしても使える？
A. オイリー肌には効果が期待できると考えられる
自然派ビューティーブロガーの間では、天然のクレンジングとしてベーキングソーダを使う人がちらほら。「これには一理あります」と話すのは、マウントサイナイ病院の皮膚科で化粧品と臨床研究のディレクターを務めるジョシュア・ツァイヒナー医師。「ベーキングソーダには、皮脂を吸収し、肌の角質を取り除く働きがあります。そのため、DIYのスクラブやフェースマスクには有効な成分であると考えられます」
ただし、使いすぎは深刻なかぶれや炎症を引き起こす可能性があるので、敏感肌は特に注意するべきだそう。「おすすめできるのは、オイリー肌の人や、肌トラブルがほとんど発生しない肌の強い人です」とツァイヒナー医師は忠告。
中にはベーキングソーダ配合のクレンザーもあるので、DIYが心配ならこちらがおすすめ。敏感肌の人はベーキングソーダの使用は避け、グリコール酸やサリチル酸などのアルファヒドロキシ酸（AHA）やβヒドロキシ酸が配合された従来の角質落としの使用がおすすめ。
5. 優秀な吸収性のおかげで制汗剤として使用できる？
A. 吸収効果はあると考えられる
「ベーキングソーダは吸収性にも優れているため、手作りの制汗剤を作る際によく使われています」とツァイヒナー医師。少量のベーキングソーダと水を混ぜ合わせたら、脇の下に塗るだけ。でも脇の下も同じく皮膚なので、先ほどの洗顔と同様、炎症を起こす可能性も否めないそう。
6. 角質除去をしてくれることから、ニキビケアにも効果的!?
A. 効果はあると考えられる
「ベーキングソーダの皮脂吸収力は、ニキビ治療にも効果的であることが考えられます」とツァイヒナー医師。ニキビの上に少量のベーキングソーダを軽くたたくようにして乗せると、一時的に炎症を抑えることができるとか。
長い目で見るとあまりおすすめできないそうだけれど、この方法でニキビ跡が消えたという報告も多いみたい。「ベーキングソーダがニキビ跡を薄くしてくれることが理由として一つ考えられます。また、角質を除去する持ち前の力が改善へと導いているのでしょう」とツァイヒナー医師。
試してみるのもありだけれど、他の角質除去法と比べて効果はあまり変わらないそう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
