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一人の女性が世界中の人々に「美しいとは何か」を考え直させている。

現在29歳、米国ネブラスカ出身のアシュリー・グラハムは、“プラスサイズモデル”として13歳から活動していた。地道に努力を重ねていた彼女を一躍スターダムへと押し上げたのは、雑誌『Sports Illustrated』の水着モデルとしての仕事。最近では自らの水着コレクションをデザインし、自著『A New Model』を出版し、ミスユニバースの審査員やテレビ番組の司会者も務めるスーパーウーマンだ。長きにわたり細め志向のファッション・モデル業界はもちろんのこと、美しさの定義となればメディア頼みの社会全体にも大きな影響を与えている。

正直、今流行の筋肉美人ではない。それでもVogueやElleがカバー撮影を依頼し、バービー人形が特注され、TIME紙が『2017年の最も影響力のある人々』に彼女を選ぶ理由はどこにあるのだろう?

1.壁を乗り越える

サイズの大きな女性にとって一番の問題は、一般的に販売されている衣類におけるサイズの多様性のなさ。モデル業界でも、サンプルとして持ち込まれる服のサイズは小さいものばかり。アシュリーがメディアに出る最大の目的、それは女性の美しさがその姿や形で制限されることのない世界を作ることなのだ。

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「最新号の“体の多様性”特集に私を加え、私の人生を永遠に変えてくれた『Sports Illustrated』の水着チーム@si_swimsuit には感謝しきれない。すべての形、サイズ、年齢、そして経歴の女性が考慮され、ありのままの自分を美しいと思えるべき。あれ!このビデオ、音が入ってない!音声付きのビデオは SI.com で観てね」

“醜さ”を受け入れる

アシュレーにはシミもそばかすもセルライトもある。フィットネススターのように引き締まっているわけでもない。醜いと思ってしまえばキリがないことも、彼女のように受け入れる強さを持とう!

「ちょっとのセルライトが人を傷つけることなんてない。自分を裁くのはやめて、社会が“醜い”と言う物事も受け入れよう」

でも“ノー”は受け入れない

そうですよね、やっぱりダメですよね、と引き下がったことが何度ある?アシュレーはそれを認めない。「“ダメだ”、“君には無理だ”という言葉を知らなければ、今自分がいる場所に辿り着くためにあれほど一生懸命戦うことなんて出来なかった」そう。

「明日、私は私の人生で最も価値ある賞、雑誌グラマーの2016年『今年の女性』大賞を受賞する。自分らしくあり、自分が信じることのために立ち向かってきただけの私が、こんなに名誉ある賞をいただけるなんて想像もしなかった。決して自分の力を疑わないで、“ノー”という返事を受け入れないで」

4.こなすだけが仕事じゃないと思っている

それまでプラスサイズモデルをカバーに使わなかった雑誌が、続々と彼女を使い始めた。これはきっと今旬の人だからではなく、期待以上の結果を出し、また是非と呼び戻してもらえるような努力を続けているから。

「10年間、“君はカタログガールになる、カバーガールにはならない”と言われ続けてきた。それがIMGモデル(所属先)@imgmodelsとの出会いで、1年に5回も雑誌のカバーを飾った。顔が可愛ければ扉は開かれる。でもそれをただ通り抜けるのが仕事じゃない。招き戻されるのが仕事」

5.自信をまとっている

SNSだけでなく、TEDxtalkなどでも“サイズを超えた美しさ”(#BeautyBeyondSize)を提唱する彼女の姿は自信に溢れている。自分に自信を持っている人には、独特の美しさがあると感じたことは?

「女性が着られる最も大切なもの、それは自信」

多くのメディアが彼女を起用する理由、それはきっと前例のないことに挑戦し、諦めず、今の地位を築いた彼女を支えるその信条に感化されているから。美しく健康であることの意味が、ビジュアルで固定化されつつある今の世の中に、アシュレーは大切なメッセージを送ってくれている。ちなみにインスタグラムには、「ヘルシーにだって色んなサイズや形があるから」と、ウェイトやボクシングなどのワークアウトに取り組む姿も。あなたも自分なりの美しさの定義を今一度考えてみよう!

Text : Ai Igamoto Photo : Instagram by Ashley Graham