かつて、自分の見た目をほとんど気にしていなかった。いやむしろ、何かしようと思うほど自分を気に掛けていなかったと言った方が正しいかも。
自分に自信はあったけど、特別スタイルが良かったわけじゃないし、10代の大半と20代の前半はファストフードで生きているも同然だった。
大学4年の初日、胃に激痛が走って突然膝をついた。立つことさえできない状態で緊急治療室に運ばれ、検査の結果、私の消化器系はほとんど機能していないことが判明 (何年もファストフードを食べていれば多分こうなるよね)。
おかしなことに、検査中に私の食生活を聞いた人はいなかった。消化を助ける薬だけが処方され、それを数ヶ月飲んでから気付いたー何かがおかしい。そう、その薬は根本的な問題を何も解決していないかった。
ここで助け舟を出してくれたのが、当時の彼氏で現在は夫のルカ。彼には、私の健康問題の原因が乱れた食生活と運動不足にあることが一発で分かった。彼に何度か説得されて、2013年、私は自分の健康状態の改善に取り掛かった。
他の女性とは比べ物にもならない気がした
インスタグラムが誕生して間もない頃に、健康とフィットネスへの道のりをシェアし、自分に責任を持たせ続けるためにアカウントを作った。でも、数ヶ月使うと自分が “満たない” と感じるようになった。
フィードには美しい女性の写真が次から次へと現れる。お腹はこれ以上ないくらいペタンコで、脚や胸は完璧なまでに引き締められ、顔も体に負けないくらいゴージャス。
もちろん、そのような写真自体に問題があるわけじゃない。自分は美しいと自信を感じさせてくれる写真を投稿する権利は誰にでもある。
でも、最高にうらやましい体を持つ女性の写真は本当に大量で終わりがない。どんなにワークアウトしても、自分は超ゴージャスな女性たちの足元にも及ばない気がした。ちょっとポッコリした自分のお腹が、インスタグラムの女性たちと同じだけ平らにならないことにも心底ガッカリしていた。
問題の一部は自分にあると気付いた
そして、2016年のある日、鏡の前でフォームローラーをしていると、お腹の肉がワークアウトパンツに乗っている自分の姿が映った。
定期的なワークアウトを2年も続けているのに、どうして未だにお腹が出てるの?
どんなに体が強くなっても、ワークアウトを始めた頃より気分がずっと良くても、ポッコリお腹だけはとにかく気に障った。
100万人以上のフォロワーが、ポーズを撮らない “本当の” 私のお腹はポッコリしていて、慎重に選んだ写真で披露してきたように引き締まっておらず、ペタンコじゃないことを知ったら、どれだけ失望するだろう。
でも、一見パーフェクトな女性の写真のせいで内心 “満たない” と感じているのに、フォロワーには “#ゴール” とか “私のお腹もそうだったらいいな” というコメントを書かせている自分に気付いた。
私がフォロワーに見せていたのは、完璧なポーズをとった体の写真だけ。彼女たちも、私と同じくらい落胆していたのかもしれない。それなのに私は、自分を滅入らせたのと同じような写真を投稿していた。
だから、その瞬間、リビングルームの鏡の前に座った状態で、初めて “リラックスした” セルフィーを撮った。いつも三段腹を映すから、見る度にイライラしていた鏡の前で。
完璧でいなければというプレッシャーから解放された
フォロワーからは圧倒的にポジティブな反応が多く、ホッとした。素の自分を見せたことに感謝する女性もいれば、実現不可能な理想像に煽られて患った異形症、拒食症、過食症をはじめとする障害の助けになったという声もあった。
あの写真をシェアするのは怖かったし、緊張した。みんなの反応が予測できなかったから。でも、一度投稿してしまい、フォロワーの反応を見ると、肩の荷が下りたような気がした。本当の自分の姿を見せただけで、完璧でいよう、完璧に見せようというプレッシャーが消え去った。
この経験は、“完璧” なんて耐えるには重すぎる負担であることを私に教えてくれた。欠点がないとは思われたくないし、自分はパーフェクトという印象も与えたくない。そんなの疲れるし、正直言って自分を完璧に見せる写真は、それを見るフォロワーに悪いのと同じだけ私にも悪い。私は完璧じゃない。そもそも完璧な人なんて一人もいないし、それでいい。
鏡に何が映っても怖くなくなった
もちろん今でも、ポーズをとった写真や人生の華やかな瞬間をシェアすることはある。人生のアップダウンをすべて映し出すものではないけど、自分は美しい、自信がある、幸せと感じる瞬間を収めた写真。みんなにもぜひそういう瞬間をシェアして欲しい! 気取らない写真は今後も見せていくけどね。
私は自分の不安に真っ向から取り組んだ。ウンザリしていたポッコリお腹を見て、それを隠す代わりに世界と共有した。そして、その恐怖に堂々と立ち向かうことで自分の不安を克服した。
今では鏡に何が映っていても怖くない。ポーズをとっていようといまいと、全部大好き。
要は、私はもう完璧なフリをしていないということ。私は自分に合った車線を走っていたい。不完全な自分の車線を。私が目指しているのは、もっと強くてヘルシーな自分だけ。それが、どんな見た目でもね。
そして、私に付いてきてくれる一人ひとりが同じことを目標にできるよう、インスピレーションを与えていきたいと思っている。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Anna Victoria Translation: Ai Igamoto Instagram of @annavictoria
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。