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友達の誕生日会のカクテルに映画鑑賞のときに飲むビール。夕焼けを楽しみながらの爽やかなロゼワイン……。どれも心がワクワクするけれど、お酒には栄養のない “空っぽのカロリー” が大量に含まれているし、飲んだ日の夜中から翌日にかけて大食いしてしまうリスクも……。けれどお酒の失敗は、実は体のメカニズムにも理由がある。二日酔いせず、ダイエットも失敗しない方法をリサーチ!

せっかく日中はフィットな自分を目指して頑張っているのに、夜になると飲んでしまう。お酒とダイエットは、どう考えても相いれない。

「あいにく、パーソナルトレーナーの僕が見かける最も大きな障害の一つはアルコール」 と語るのは、イギリスのカントリークラブ「Hale Country Club」のフィットネスコンサルタントで、イギリスのテレビ界でも活躍中のトム・ピットフィールド。「パフォーマンスの低下や精神障害、糖尿病や肝臓病などの深刻な副作用があることは広く知られている。だけど日常生活の一部としてアルコールを消費するのが “社会的な標準” になっている。もちろん体重だって増えるのにね」

やっぱりエキスパートも、アルコールとダイエットは相反する要素という考え方を支持している模様。

ピットフィールドによれば、「アルコールに余分なカロリーが含まれているのはさておき、みんなが一番苦しむのは翌日の二日酔い」 なんだとか。「いつものように考えられなくなるし、体は回復するためにもっとカロリーを欲しがる。お酒を飲むと、こってりした物や甘い物が欲しくなるのは科学的にも証明されているんだ。体はグリコーゲンを燃料にしたがるから、アルコールを代謝するのにグリコーゲンを使ってしまうと、あなたに空腹感を与えて、もっと食べろとせがんでくる」

グリコーゲンは炭水化物から摂るものなので、皿いっぱいのドーナツや、胃を落ち着かせるコーラがやたら魅力的に感じるのは当然のこと。

でも、それを口にしてしまうとダイエット成功への道のりはさらに遠くなる。「炭水化物や脂質、タンパク質が体内に取り込まれたとき、最初に燃料として使われるのは脂肪ではなくアルコールなので、体にますます脂肪がたまるんだ」

驚くべき飲酒後の体。アルコールによる影響はこんなにも!

アルコールと体の関係を、ピットフィールドが簡潔に説明してくれた。

●代謝
「十分な血糖値を維持するのは、代謝の主要な機能の一つ。でも、お酒を飲むと、できるだけ早く効率的に毒素を取り除こうと体が躍起になるので、血糖値の維持はすぐに後回しにされる。アルコールは体がグルコースを作る能力も、血中のグルコース ……ひいては血糖値を健全な濃度にキープする能力も妨げる。飲んでばかりいると、そのうち血糖値が高くなる耐糖能異常になり、糖尿病になることすらある」

●肝臓
「体内に入ったアルコールは肝臓で処理される。健康な肝臓はアルコールを分解するけれど、頻繁に飲みすぎたらどうなる? 肝臓には他の仕事もたくさんあるので、飲みすぎると肝臓がダメージを受けて脂肪を分解できなくなり、脂肪肝疾患につながる」

●胃
「お酒を飲むと胃酸が過剰に生成される一方で、胃の内壁が刺激を受けて炎症を起こす」
控えめに飲むのが苦手なら、ぜひこれを思い出して。

●膵臓
「アルコールは、不必要な神経伝達物質とエンドルフィンを分泌して脳を混乱させる。同様に膵臓もアルコールで混乱し、本来血中に流し込むべき酵素を膵臓内に分泌してしまう。これで酵素が蓄積し、膵臓が炎症を起こす。長期的にはがんのリスクが高くなるだけでなく、インスリンを生成する能力も衰えるので、糖尿病のリスクが上がる」

●心臓
「お酒を飲みすぎると、血圧と血中脂質の濃度が上がり、心臓発作や脳卒中のリスクが高くなる。長期にわたって暴飲を続けていれば不整脈につながることもあるし、心筋が徐々に弱くなり、心筋症と呼ばれる状態になることも」

お酒の時間が楽しくなる! 二日酔い&ダイエットの失敗をしないコツ「5」

お酒が出てくるシーンは日常でも多く、避けることはなかなか難しいかもしれない。アルコールとダイエットをうまく考え、自分をダイエットのゴールから遠ざけないようにするコツは「とにかくバランスを考える」「お酒を賢く選ぶ」ことにある。

1.お酒の「種類」を賢く選んで、「日にちを決める」
ピットフィールドは、「お酒の種類をまずは考える。さらに、飲む時間帯を週や月単位で計画し、『この日は飲む、この日は飲まない』と決めておく」 よう勧めている。「これでアルコールの摂取量が減る。余計なものが入っていない蒸留酒やトニックといった低カロリーのものを選び、ビールやカクテルは避けること。ダブルではなくシングルにして、少しでも飲む量を減らすことも大切」

2.カロリーを「半分にする」チョイスを心掛ける
「食べ過ぎと同じように、日常的な飲酒も体重増加につながることを忘れがち」 と話すのは、食べ物や栄養にまつわるサイト「Pip Nutrition」の公認管理栄養士キム・ラング。「例えば、大きなワイングラスで2杯飲めば380キロカロリー、小さなソーセージパン7.5個分のカロリーを摂ることになる。いつもの大きなグラスでソーヴィニヨン・ブランを飲む代わりに、白ワインに氷とソーダ水を入れたスプリッツァーというカクテルを頼んでみて。見た目では分からなくても、これでカロリーは半分になるの」

3.週末まで犠牲にしないための「心構え」と「準備」
「金曜日の飲み会で、週末を完全に台無しにする人はとても多い」 とピットフィールドは溜め息をつく。「ひと晩飲みに行ったからって、週末まで犠牲にする必要はない。飲み会当日の日中は普段と同じようにしっかり食べて、翌日の二日酔いに備える。栄養価の高い食材をストックしておけば、二日酔いで判断力が鈍っていても、ヘルシーなものを選ぶのが楽になる」

4.基本のき、「水分補給」。けれど、思った以上に意識的に飲んで
「ここでも心構えが大事」 とピットフィールドは続ける。「飲み会の前、その最中、さらに後にももっと意識的に水を飲んで。これで二日酔いが軽くなるし、アンヘルシーな食欲も抑えられる」

5.ノンアルコール飲料を試してみる。飲むときにも工夫を!
ラングいわく、「味がなさそうなノンアルコール飲料もスパークリングウオーターと合わせたり、ヘルシーな付け合わせと一緒に飲むことでおいしくなる」 そう!

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Emma PritchardTranslation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。