Marathon, Long-distance running, Running, Crowd, Recreation, Outdoor recreation, Ultramarathon, Athlete, Half marathon, Individual sports, pinterest

2020年の東京五輪に向けて、今年の9月15日に1発勝負でオリンピックのマラソン代表選手を決める選考会があるのを知ってた? その名も「マラソン・グランド・チャンピオンシップ(MGC)」。今までの日本マラソン代表は、複数の選考会レースの結果から選出されていたため、”なんで〇〇選手は落ちて、〇〇選手は選ばれたの?”といった、選考における不明瞭さに、疑問を抱いていた人も多かった。けれど、今度のオリンピックは、先述の通り、1回のレース結果で決定。その選考会という舞台への切符を獲得すべく、東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソンをはじめとするレースでは、エリートランナーたちのデッドヒートが繰り広げられた。ここでは、MGCを楽しむために押さえておくべき予備知識をご紹介。

アラフォーランナー、福士加代子が魅せた名古屋ウィメンズマラソンでの好戦

Sports, Running, Long-distance running, Outdoor recreation, Recreation, Athlete, Athletics, Individual sports, Marathon, Exercise, pinterest

2019年3月に37歳を迎えた福士加代子選手が先日の名古屋ウィメンズマラソンで選考会への切符を手に入れた。そのタイムは2時間24分9秒。日本人2位という好成績である。ゴール後、「やっと取りましたーMGC! お待たせいたしました! 日本人トップになりたかったけれど、岩出選手が強かったですね。残念ですけど、転ばなければいけるんでしょうね」と苦笑いしながらインタビューに応えている。実は彼女、1ヶ月半前の「大阪国際女子マラソン」に出走するも、10Km過ぎで転倒。右顔と両膝等を強打し流血しながら、35.5Km地点まで走って棄権していた。その1カ月半後というスパンでの名古屋ウィメンズでのレース。その福士選手の選考会出場権獲得という結果に、アラフォーだけでなく、多くのランナーが勇気と希望を持ったに違いない。

一億円を手に入れた、日本記録保持者・大迫傑と前日本記録保持者・設楽悠太が競う東京マラソン

Sports, Running, Marathon, Long-distance running, Recreation, Outdoor recreation, Individual sports, Athletics, Athlete, Exercise, pinterest

Photo: Getty Images

昨年は、男子マラソンの日本新記録が連続して塗り替えられた。設楽選手にはMGC出場権獲得と1億円、すでにMGCのチケットを獲得していた大迫選手には1億円の賞金が付与された。この賞金システムの立案者は、日本陸連の傘下団体(正確には加入団体)である“日本実業団陸上競技連合”。多額の賞金へのモチベーションもさることながら、誰かができれば、自分だってできるんじゃないか、そんなに無謀な挑戦ではない、って思えてしまうのが人間の心。自分の限界を超えるモチベーションって、結局、そういうことなのかもしれない。

ナイキの壮大なプロジェクト、BREAKING2という挑戦

前人未到とされるフルマラソンのゴールタイムは2時間を切ること。この壁を越えるべく、ナイキが数年単位のプロジェクトを始動し、2時間を切るためのシューズを開発。そして、この挑戦に対してのアスリートとレースコースを選出。そのレースを走ったキプチョゲが2時間28秒(非公式)という前人未到のタイムを叩き出した。

その後、公式戦でも2時間1分40秒というワールドレコードをマーク。

Athlete, Silver medal, Sports, Tennis player, Player, Medal, Recreation, pinterest

Photo: Getty Images

その他、世界の公式戦で、「ナイキ ヴェイパーフライ4%」を履いた選手がこぞって好成績を残すと、ヴェイパーフライ4%旋風が巻き起こる。

出揃った選考会の選手たち。日本で最速のランナーが決まる!

Sports, Running, Long-distance running, Marathon, Athletics, Athlete, Recreation, Outdoor recreation, Individual sports, Exercise, pinterest

いまだかつて、マラソン大会で「MGC」ほど緊張感のあるレースがあっただろうか。日本人初のマラソンランナーとしてオリンピックに出場した金栗四三。彼がモデルとなっている大河ドラマ「韋駄天」をはじめ、2017年放送のドラマ「陸王」からランニングシューズのムーブメントは起こっていた。選手、シューズ双方の集大成、「MGC」は新元号になった今年のビッグイベントに間違いなし! 9月15日(日)は、テレビの前で熱いデッドヒートを見守りたい。

MGCを獲得したファイナリストはこちらをチェック。

Photo : Tomoko Meguro