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超スキニ―ボディと決別し、ありのままの自分を受け入れたとき、彼女の人生に起こったこととは?

世界のファッション界が痩せすぎモデルを使わないと宣言したり、プラスサイズモデルが脚光を浴びたりと、人々の「美」に対する基準に変化が表れ始めている昨今。ただ痩せているだけが美しいのはもう過去の基準であり、ありのままの自分を受け入れ、心身ともに健康的な状態であることが新しい「美」の基準。トップモデルとして活躍し、今はプラスサイズモデルとして活躍するモデル、リザ・ゴールデン=ボージャニもそんな変化に気づき、「新しい自分」を手に入れた女性の一人。ランウェイモデルとして活躍していたときは1日たった500kcalカロリーの食生活。モデルとして売れても幸せを感じることができなかった彼女が取った行動とは?

モデルとして売れるための過酷なダイエット生活

テキサス生まれのリザ・ゴールデン=ボージャニは、獣医を志す普通の少女だった。学費を稼ぐためにモデルとして働き出した彼女は17歳でニューヨークへ。ニューヨークファッションウィークやパリコレといった数々のランウェイを歩き、ドルチェ&ガッパーナをはじめとする有名ブランドの顔としても活躍した。

そんな彼女が昨年、身体的そして精神的に自分を追い詰めたモデル業界の実情をインスタグラムで打ち明けた。

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20歳になったリザは、自分が周りの女性に比べて “太っている” ことに気付き、非常に極端なダイエットを始める。

「ボディサイズの測定日には、絶対何も食べないようにしていた。誰よりも細くフラットになるために、水さえ飲まなかった。毎日カロリー日記をつけて、必要以上に食べたりお腹が空きすぎて大食いしたりした日には、吐いて帳消しにした。美味しい物を食べた気分になりたければ、フルーツやデザート味のガムを噛んだ。だって本物は食べられないから」

それでも思い通りに行かない。

「私のボディサイズは常に不安定で、体重が大幅に減って超スキニーになったかと思えば、数週間、数ヶ月後にはビッグな体に後戻り。情けなくて自分に嫌気がさした。周囲のモデルたちにはどうして付いていけるのか、なぜ安定したサイズが維持できるのかが全く理解できなかった」

ランウェイモデルとしての活躍は上辺だけの成功

この尋常じゃない努力の末に、彼女はサイズ0 (日本では7号またはXXS) モデルとして “表面上は” 成功の道を歩んでいく。

「これはモデルキャリアが絶頂期のときの私。初めて本格的なファッションウィークに出た時は、必要なサイズにまで落とせていた。自分が出られるなんて思いもしなかったショーで、かつて尊敬したモデルと一緒に歩けるなんて、アドレナリンが大放出」

ところが、無理な生活がたたってリザの体はついに悲鳴を上げる。

「ある晩、超低カロリーの食事 (記憶が正しければ枝豆20個) を作っている最中に倒れた」 彼女は、指示された食事内容とワークアウトに背き、自分なりの方法でコントロールしようと決意する。

「きっと細いままでいられる。ちょっと多めに食べるだけなら、それほど罪悪感もないと思った」

でも、現実は甘くない。いつの間にか暴食が始まり、キャリアにとって大事なときだというのに徐々に体重が増え始め、しまいには戻らなくなってしまったのだ。それでもリザはクールを決め込み何とかショーを続けたものの、最終的にはサイズを理由に仕事を断られた。

これがきっかけで、彼女は予定外の静養に入る。

ありのままの自分を受け入れたとき、自分が生まれ変わった

「もう二度とモデルをすることはないと本気で思った。“デブ” な私となんて誰も仕事したくないだろうし、もう終わりだろうなって。血のにじむような努力も、体に鞭打って流した汗も涙も全部無駄だった。束の間の成功だったってわけ」

2年も休んでいる間に彼女の体は日増しに大きくなったわけだが、ある日突然こう思ったという。

「もう気にしない。これでもモデルを続ける。そして、そのために自分を飢えさせたりしない」

その日を境にリザは、ずっと二人三脚でやってきた母親兼マネージャーと一緒に、人生を少しずつ立て直し始める。

「かつての私は、“完璧” になるためには世間の期待に応えなければならないと信じる、無知で不安定な少女だった。そのせいで本当の自分が誰だか分からなくなり、自分は出来損ないなんだと信じ込むほど心が折れてしまうなんて知らなかった。でも今の私は、昔のように自分を敗北者だなんて思わない。もっとポジティブで、ヘルシーで、愛に囲まれた幸せな女性に生まれ変わった。自分自身を愛し、受け入れることを学んだから」

今では体重が100kgを超えたというリザに、超スキニーな体に戻る予定は一切ないそう。

人生のパートナーと新たなキャリアをスタート

そんな彼女の幸せを支えるのはママだけじゃない。2016年には “王子様” のような旦那さまと出会い、私生活も充実。

「人生って不思議。自分を完全に見失って先が見えないときもあれば、突然うまくいきだすこともあるんだから」

現在はプラスモデルとしてのキャリアを築きながら、スタイルに悩みを抱える女性に前向きなメッセージを送り続けている。

「誰もが同じである必要はない。体型もサイズも人それぞれ。人と違っていい。自分らしく、幸せに!」

周囲に評価されようとあがき、自分を惨めに感じるリザはもういない。自分を大切に生きていれば、あなたのもとにも思わぬ幸せが舞い降りるかも。

Text:Ai Igamoto