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ウエイトリフティングを避け続けるのも今日で終わり。

約1ヶ月にわたり、ウィメンズヘルスは着実に変わりつつある “美しい女性” の基準を特集してきた。プラスモデルのリザ・ゴールデン=ボージャニマルシェル・ホプキンス、さらにはハリウッド女優のヒラリー・ダフでさえ、体がふくよかになったら人生まで豊かになって人気も上昇。

いやいや、私はもっと細くなりたい。そう固く決意して、今日もひたすら有酸素運動に励む女性は多いのではないだろうか。公園を走ったり、スピンクラスに参加したりして、汗を流すのはもちろん素晴らしいこと。

でも、この先何年も強くしなやかな体を維持するためには筋肉が必要。それは分かっているけど、ムキムキだと可愛くないし、筋肉は重たいから体重だって増えちゃうでしょ?

それがそうとも言い切れないことを証明してくれる、一人の女性が現れた。

彼女の名はケルシー・ウェルス。アメリカ出身のフィットフルエンサーだ。出産を機にカイラ・イチネスの超人気プログラム『ビキニボディガイド (BBG)』を始め、1年半かけてボディメイクに成功した彼女は、現在ではなんと、カイラのアプリ『SWEAT』に筋トレ担当トレーナーとして登場するほどの活躍ぶり!

母としても妻としても本当にステキな彼女を見れば、「筋肉質=女性らしくない」という固定観念に別れを告げられるかもしれない。筋肉だけではない、彼女が筋トレをして感じた自分自身の変化とは?

笑顔がもっと可愛くなる

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左の写真はケルシーがBBGを始める前、真ん中は期待通り痩せた時、そして右側が1年半後の姿だ。そんな短時間で?と思うかもしれないが、実はこれでも遠回りだったという。その原因は体重計の数字。

「お願いだから体重計の数字なんかに捕らわれるのをやめて! 体重が減るのが進歩だと信じるのも、体重ひとつで自信を失うのもやめて。私もかつてはそうだった。私は173cmで63kg。産後8週間目でBBGを始めた時は65kgだった。妊娠前は59kgだったから、55kgまで落として一番細いジーンズを履くことを目標にしたの」と語るケルシー。

授乳しながらBBGを続けて数ヵ月後、彼女は目標を見事に達成。でも、ワークアウトを続けるうちに、そこから8kgも増えたのだ。

「要は、昔の間違った基準から言えば今の私は間違いなく失格。でも、幸いにも私は、体重計の数字ではなく、筋力・能力・耐久力・健康・幸せという本当に大切な物事を基準に進歩を測ることを学んだ。BBGを始めた時と今とで体重は2kgしか変わらないけど、身体組成は完全に変わった。こんなに筋肉が多くて脂肪が少ないのは、人生で初めて」

でも、ボディメイクのメリットは体の変化にとどまらない。

「こんなにヘルシーで、ありのままの自分の姿に自信が持てるのも初めて。あのとき体重計の数字を捨てなかったら、間違った方向に進み続けていたはず」 ビフォーアフターの一枚が写し出す彼女の表情の変化も、ボディメイクが体だけでなく心にもインパクトを与えることを示している。

人の目が気にならなくなる

母親なら誰でも朝から晩まで忙しい。でも、その中に自分を磨くチャンスがたくさん転がっている。ケルシーにも母親になってから学んだことがあるそう。

「私たちは何歳から他人の意見をこれほど気にするようになるんだろう。母親になってから、それを忘れることを学んだ。(息子の) アンダーソンが、事あるごとにその重要性を教えてくれる。食料品売場で突然駄々をこね出し、叫びながら暴れる彼を抱っこする自分に人の視線が集まるとき。クルクル回りながら舌に雪を乗っけるまで離してくれないとき。彼にとっては、誰が自分を見ているか、周囲にどう思われているかは関係ない。心の底からその瞬間を生きているだけ」 そう、その瞬間を精一杯生き、人目を気にせず一心に打ち込むのが大事。ジムでウエイトを上げるのを恥ずかしがる必要は全くないのだ。

ネガティブな意見に捕らわれなくなる

] 最近ではインスタのフォロワーが100万人を突破し、あらゆる形とサイズの女性たちから寄せられる前向きなコメントの数々に感激しているというケルシー。 「社会が大きな一歩を踏み出し、大切なのはジーンズのサイズで、女性は細くあるべきだという固定観念を投げ捨てたのは素晴らしいことだと思う。今でも女性はこうあるべきだというネガティブな意見があるのは確かだし、まだまだこれからだけど」 実際にケルシーのもとには、「男みたい」 とか 「ムキムキにならないように気を付けなよ」 とか 「ウエイトリフティングは女らしくない」 といったコメントが送られる。 ネガティブな人には普段からあえて反応しないようにしているという彼女だが、同じようなことを言われている世界中の女性に対して、「女性が美しくあるために必要なのは自分らしくいることだけ」 だと強調した。

「ウエイトリフティングには、間違いなく美しさと女性らしさがある。母親であることにも、結婚にも、キャリアを追い求めることにも、シングルであることにも、人前で話すことにも、親密な空間で話すことにも、書くことにも、料理にも、掃除にも、スポーツにも、楽器の演奏にも美しさがあるでしょう。他の人にとってはそうでなくても、あなた自身が美しいと思えば美しい。だから、他人の意見や社会が決めた美しさの基準から自分を解き放って、美しいと感じる人生の瞬間に注意を向けて」 そう語るケルシーが自分を最も美しく感じるのは、「ジムで自分を追い込み、汗だくになっている時。そして何よりも、息子と床でレスリングをしたり、彼に世の中のことを教えたりしている時」 なんだそう。

母親になってから腹筋を割り、地道にフォロワーを集め、独自のフィットネスプログラムを立ち上げ、憧れの女性と仕事をし、世界中を飛び回る。その意志の強さとバイタリティに、旦那さんもますます惚れ込んでいる様子。

この夏、ビーチで視線を集めるのは、スキニーだけど自信がなくて人目を気にする女性よりも、常に自分らしく振る舞う、笑顔が素敵でフィットな女性なのかも。さあ、今日からウエイトトレーニングに励んでみない?

Text:Ai Igamoto