スタジオの空気が一瞬で変わるほどCherryさんのベリーダンスは艶やか。「男性を魅惑するためのダンスなので、相手をじっと見つめながら踊ります」。しなやかに動きながら見つめられると魔法をかけられたような気分に。その目力に圧倒される。
「日本舞踊も長く続けているのですが、日本舞踊では観客と視線をあわせません。外へ開くようにらせんを描くバレエなどの西洋の舞踊と違って、日本の伝統芸能の動きは巻き込むように沈むような対極の動き。中近東で発祥したベリーダンスはその両方の要素があるんです」。その揺らぎがミステリアスさを生むと分析。
ベリーダンスを披露すると家族や友人が喜んでくれるのもうれしいと語る。「妹は誇らしげな表情になり、初めてみた友人は『Cherryにこんな面があったなんて！』と驚いてくれる。それを見るのが楽しいですね」といたずらっ子のような表情に。
Photo : Masato Moriyama Hair & Make-up : Kaori Nagai Styling : Mami Kudo Text : Noriko Maniwa
魅惑するためのダンスは、美しい所作が身につく
「人って正面からだけではなく、実は斜め45度からの視点で見られる機会が多いんです。ベリーダンスにしても日本舞踊にしてもダンスには45度からみられることを想定した動きが多いんですよ」確かに自分自身を見るときには鏡で正面からの視点が多い。ダンスをすると人からの見え方を想像できるようになるという。「歩くとき、カフェで、電車の中で、45度からの見え方を意識し、美しい所作になりました」
美しい腹筋を作るなら、ベリーダンスが一番！
ヨガや自転車、卓球など様々なエクササイズを楽しんでいるCherryさんだが、体づくりの面でもダンスは秀逸だと語る。「腹筋を鍛えるにはダンスが一番。もともとリズムがあるものが好きで、楽しみながら鍛えられたらいいなと思っていました。ベリーダンスは一番上の腹筋を使うのですが、初めて一か月後に上の2つが割れ、上から順々に割れてきたんですよ」。柔らかな動きながら体幹を使うベリーダンスは運動量が多く、ダイエット効果が期待できるのだ。
「そしてベリーダンスは実は内向的な人にこそ向いていると思います。おなかを出して踊ることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、ダンスって鏡に映して練習するので、自分を見つめなおして、発見するきっかけにもなるんです」
自分を見つめ自分を発見。 自信がつくことで心が元気に
自己陶酔に近いものがあり、自分を解放するうちに自信がつく。「そういえば私がベリーダンスを習い始めたときも、特定のパートナーがおらず、ちょっと男の子に疲れた時期だったかもしれません」と振り返る。
相手に合わせよう、好かれようと自分らしさを貫けずにいた。「体がどんどん変わってきて、腹筋が割れてきたとき、自分ってちょっと素敵？ と思えるようになりました」。すると心が元気になっていき、自分らしいオーラに包まれているのを感じられるような状態に。
自信をもつことで人間関係が安定し、今の彼とも出会えた。「心が元気になれないときは体を鍛え、体にダメージがあるときは心で支える。心と体は密接に関わっていることを実感しています」
やらなくちゃ、よりも「やりたい」を大切に
「何かを極めようとするとき、完璧主義者になりすぎると自分が伸びていかない。他の視点から見てみたり、他のことをやってみると『ああ、こういうことだったのね』と気づいたりするもの。語学の勉強だって同じ。読むだけでは気づかなかったことも、書いてみたらわかったりしますよね。もし何かに行き詰まったら、何か他のことを始めてみる。そうすると新しい風が吹いてくるんじゃないかしら」
自身も静と動、東洋と西洋など対極にあるものを両方することでバランスが良くなると感じている。「気分にはアップダウンもあるし、モチベーションはトップギアでは持続できないもの。やらなくちゃ、という焦りがプレッシャーになるより、やりたいという気持ちを大切にして、新しい風が吹くのを待ってみては」
1990年生まれ。東京出身。雑誌「GLITTER」の専属モデルとしてデビュー。「GINZA」などの雑誌やサイトなど各メディアでモデル・タレントとして活躍。ベリーダンス、ビクラムヨガ、マウンテンバイク、日本舞踊、書道、詩作などその多趣味さでも知られる。
