正しく取り入れないと効果なし。リカバリーにありがちな9つの間違い
ワークアウトは上手になったけど、リカバリーのテクニックはまだまだなのでは?
ワークアウトは上手になったけど、リカバリーのテクニックはまだまだなのでは?
最近では、ヘルシーな気分になりたくて、みんなが体を動かす。かつては一流アスリートのトレーニングメニューだったようなワークアウトで汗を流す人も多い。
あなたには、女性が筋トレを行うことの真価が分かる。タンパク質の供給源を変える必要性も理解している。プロテインシェイクの使用に疑いを抱くようにもなった。
でも、アスリート並みのトレーニングをする上で必要なリカバリーに関しては、知識が浅いんじゃない?
フィットビットやアップルウォッチになるべく多くの運動時間が刻まれるように、ちょっとした不調、体の痛み、さらには本格的な怪我までかばおうとしてない?
ロンドンのウェルネスクラブLomaxでパーソナルトレーナーを務めるジョーダン・ルーと、理学療法クリニックComplete Physioに所属する理学療法士のロバート・ペリーが、私たちがよく犯すリカバリーの間違いを教えてくれた。
Text: Francesca Menato Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
1.積極的にリカバーしていない
プロのアスリートは毎日フォームローラーを使う。アクティブリカバリーに時間を費やし、ワークアウト後にはウォームダウンを行う。混み出す前にシャワーを浴びようと、超速でストレッチすることもない。
私もそうだと言える人が何人いる?
ロバートは、人々がリカバリーに十分な時間を割かないのは、「“体が燃える” のを感じないから」 だと確信している。でも、 体の引き締め効果がないからといって、リカバリーが筋トレほど重要じゃないことにはならない。
彼いわく、大事なのはプロアクティブでいること。ただ形式的にストレッチするのではなく、バスの中でカーフレイズをしたり、デスクの下でマッサージボールを踏んだりして、普段からちょっとした努力をすることが大切。
クライアントには必ず 「フォームローラーがどこに置いてあるか」 聞くというロバート。“ソファでくつろいでいると視界に入る場所” にないのなら、動かすよう指示している。
2.筋肉を酷使しているのではという恐れ
フォームローラーは痛い。これは、辛くとも受け入れざるを得ない真実。
残念なことに、フォームローラーがすごく痛いのは、大抵フォームローラーの使用が足りないとき。関節を避けることさえ忘れなければ、フォームローラーのマッサージで筋肉を痛める可能性は極めて低い。
3.筋肉や腱を実際に酷使している……
腫れがあるなら体を休ませるべき。炎症は体の自己修復機能なので、腫れている部分を動かそうとすれば痛くて当然。腫れがひどくなり、状態が悪化してしまう。
どうするべきか分からなければ、理学療法士に相談して、RICE処置 (患部を安静にして冷しながら圧迫し、心臓より高い位置でキープする) を施すこと。
4.腸脛靱帯症候群 (ITバンドシンドローム) にやきもきする
ロバートのもとには、ピンと張り詰めた腸脛靭帯 (ITバンド) を心配する人々が何度も足を運ぶ。
専門家の間で意見の相違はあるものの、一般的に言って、これは筋肉というより靭帯の問題なので、フォームローラーを頼るにも限界がある。
この場合は、周辺の筋肉を動かす方が賢明。最もケアを要するのが、痛い部分ではないこともある。
まずはハムストリングや大腿四頭筋、それから臀筋や股関節屈筋にもフォームローラーを使おう。
臀筋は非常に深い場所にあるので、マッサージボールやテニスボールを使い、その圧力に身を任せるのがベター。
5.自分の休みとリカバリーを他人のスケジュールに合わせている
どれだけの休息が必要かは人によって異なる。他の人と一緒に同じイベントに向けてトレーニングをしていると、その人と自分のスケジュールを比べてしまうことあるけど、これは危険。
あなたの筋肉は、友達の筋肉よりランニングや筋トレから回復するのに時間がかかるのかもしれないし、その友達は、あなたよりもフィットネス歴が長いのかもしれない。
いずれにせよ、怪我を防ぐのは怪我から回復するよりずっと楽。
古い決まり文句だけど、体の声に耳を傾けるのはやっぱり大事。
6.スパのマッサージで深部組織が回復すると思っている
「スポーツマッサージと同じ効果を期待してスパに行く人がいるかと思えば、スパのようなマッサージを期待してスポーツマッサージに行く人もいる」 とロバート。
マッサージの種類が違えばメリットも違うし、どれも同じように気持ちいいなんてあり得ない。凝り固まった筋肉をほぐしたいなら、スポーツマッサージが必要。
逆に、マラソンを走ったばかりで深部組織のマッサージが要らないときは、軽いリンパ排液マッサージ (リンパドレナージ) を選ぼう。
7.アイシングをしていない
ロバートが 「みんなにもっとやって欲しいと思うのはアイシング!」
ワークアウト後のちょっとした痛みにアイシングをすれば、怪我に発展することはないと断固主張する。「大事なのは炎症を和らげること。それにはアイシングが役立つ」
今度走り終えたら、お風呂に半分氷を張って、5分でいいから思い切って体を沈めてみよう。必要に応じて出たり入ったりすればOK。この冷酷かつ非常に効果的なリカバリーテクニックが、厳しいトレーニングが引き起こした炎症を和らげてくれる。
こんなの拷問? ニット帽をかぶり、熱い紅茶を飲みながらでいい。
8.リカバリーがパフォーマンスに与える影響を見くびっている
リカバリーが華やかさに欠けると思うのは、適切なリカバリーがパフォーマンスに与える影響を知らないからかも。
ランニングからクロストレーニングまで、どんなスポーツにおいても、体がこわばっていると正しい筋肉を使い損ねて、最大限の能力を引き出すことができない。
9.片足エクササイズを行っていない
怪我を防げば、トレーニングで体を強化できる。当然ながら、裏を返せば、トレーニングによる体の強化が怪我の防止につながる。
最も簡単に体を強くする方法の一つが、ジムではもちろんのこと、歯を磨きながらでもできる片足エクササイズ。
パーソナルトレーナーのジョーダンによれば、体のバランスが悪いせいでフォームが崩れ、怪我をしてしまう人が多いんだそう。