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ここ最近は一気に気温が下がり、服を真冬仕様にした人も多いのでは。その一方で体調にも影響が出ていない? 雨が降りそうになると膝が痛くなったり、冷たい北風に吹かれると息が苦しくなったり……。気温が下がると体に起きる、いくつかの問題をまとめてみたのは、アメリカ版ウィメンズヘルスとドクターたち。寒さがもたらす問題と、その回避法をチェックして今シーズンは快適な冬を過ごそう!

頭痛、片頭痛がする。気候の変化と痛みをメモしておこう

米トリシティ医療センターの内科医、シャン・リ医学博士によると、「頭痛の原因の一つは脳の血管の収縮。外が寒いと血管が急激に細くなり、血流量が減ることもある」。気候の変化……厳しい寒さ、太陽のまぶしい光、暴風雨などが脳内化学物質のバランスを乱し、片頭痛を引き起こすことも考えられるといわれている。米メイヨー・クリニックによれば、頭痛が起きるたびに、痛みを引き起こしているかもしれない気候関連の要因を書きとどめておくと、その後の頭痛がケアしやすくなるそう。

肌が乾燥する。低刺激のケア&メイクでも防御して

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「寒くなると、空気中の水分が減るので皮膚が乾く」と語るのは、ビバリーヒルズの認定皮膚科専門医、ツィッポラ・シェインハウス医学博士。「冬の強風は皮膚を乾燥させて刺激するし、皮膚の保護バリアを傷つけることもある」。洗顔料は低刺激のものに変え、週2回の角質除去で乾燥した皮膚の層を取り除き(*1)、肌をリフレッシュさせよう。

水分の喪失を防ぐジメチコンというシリコンが入った化粧下地を使う(*2)のも効果的。シェインハウス医学博士によれば、「シリコン入りの下地は保湿液を閉じ込め、カサついた肌を滑らかにしてくれるので、化粧のノリがよくなる」そう。暖房を入れた時は特に、寝室で加湿器を使うのも忘れずに。「空気中の湿度を高くすれば、寝ている間に肌が潤いやすくなるから」

*1……肌が敏感に傾いている場合は角質ケアが刺激になることもあります。上記はシェインハウス医学博士の見解です。迷う場合は自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。

*2……シリコンが肌に合わない場合もあります。使用する際は取扱説明書をよく読んでお使いください。また、違和感などがある場合は、使用を即刻中止することをおすすめします。

気だるく感じる。冬季うつのケアのためにも太陽光を浴びて

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睡眠医療スペシャリストのロバート・S・ローゼンバーグによると、秋冬に季節性感情障害(SAD)が現れるのは日照時間が短いから。季節性感情障害を抱える人は、幸せホルモンであるセロトニンの濃度を下げる セロトニントランスポーター(SERT)というタンパク質を多く分泌する。元気を出すには、外で過ごす時間を増やしたりライトボックス=日光代わりの室内ライトを使ったりして、できるだけ光を浴びるようにするといいそう。

ビタミンDが不足するので、脂ののったサーモンやマグロがおすすめ

リ博士いわく、「体にビタミンDを供給する主な手段の一つは、太陽の光を浴びて、皮膚の中にあるコレステロールをビタミンD3に変えること」。でも、「寒い季節には紫外線指数が低いだけでなく、室内で過ごす時間も増えるから、日光を十分に浴びることができない」。ビタミンD不足の症状には、筋力の低下や痛覚過敏、眠気などがある。リ博士は、サーモンやマグロなどの脂がのった魚、ビタミンDが強化されたミルク、オレンジジュース、サプリメントでビタミンDの摂取量を増やすよう勧める。ビタミンD3の1日の推奨摂取量は600Iアイユー(*)。

*日本のビタミンDの摂取量の目安(D3ではなくD)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」によると、18~69歳の女性の場合、1日あたり5.5マイクログラムになります。

寒さは気道にまで影響。息苦しく感じたら、マスクで自衛を

「寒さのせいで小気道の筋肉がけいれんし、空気の通り道が狭くなり、息切れがすることもある」と言うリ博士。その場合はマスクをつけて外に出るよう勧めている。「マスクで口をカバーすれば、自分が吐く息の熱で吸う息も温かくなる」

やっぱりこれには要注意、「風邪をひく」。手洗いとうがい&人を避けて

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屋内で過ごす時間が増えると、人との距離が近くなるために風邪やインフルエンザに罹る可能性が高くなる。「ほとんどのウイルスには、最初の症状が出る数日前から感染力があるので、知らぬ間にウイルスにさらされていることが多い」とシェインハウス博士。「風邪のウイルスは皮膚の上で最長3時間、物体の表面上で最長4時間生存できる」。風邪の予防には手をしっかりと頻繁に洗い、せきやくしゃみをしている人を避けるのが一番。

関節が痛くなる!? ケアのためにも体を動かして

リ博士いわく、寒い日やジメジメした日には関節が痛くなるという科学的な証拠はないけれど、寒い日の天気が関節周辺の気圧を下げ、関節を取り巻く軟組織を風船のように膨張させることは考えられることだと言う。これが原因で関節に余分な圧力がかかり、痛みが生じてしまうというわけ。

「寒さのせいで筋肉や結合組織、関節周辺の靭帯が収縮し、神経を引っ張ってしまうことも考えられる」と、リ博士は続ける。最も効果的な関節痛対策の一つは、動き続けること。「エクササイズをすれば、体が温まって関節のコリがほぐれるだけでなく、関節に負担をかける体重の増加も防ぎやすい」

髪と爪が弱くなる。体を温めることに加え、加湿器を使うのはマスト!

リ博士によれば、「外が寒いと皮膚や指、爪先の微小血管が細くなって血流量が減り、栄養と酸素も十分に行きわたらなくなる」。その結果、髪と爪が弱くなることがあるそう。また、寒い季節には皮膚と爪が非常に乾燥して、ちょっとした切り傷などができやすくなるのだとか。リ博士が言うように、常に体を温かくして、血の巡りと肌の潤いを維持するためにも必ず加湿器を使うこと。

 
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Krissy Brady Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。