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大抵の場合はジムに行くのは大好きだけれど、隅から隅まで細菌がはびこる不潔な場所には、どうしても二の脚を踏んでしまう。

人騒がせになるつもりはないけど、お気に入りのトレッドミルから風邪やインフルエンザの菌をもらうなんて、氷山の一角にすぎないのかも。

フィットネス器具のレビューサイト「Fit Rated」による調査の結果、フリーウエートのマシンには、トイレの便座の362倍もの細菌が隠れていることもあるらしい!

調査隊が見つけた細菌の70パーセントは、人体にとって有害となりうることも分かった。なんてこった。

さあ、最も性能の高い防護服の用意を。ここで紹介するのは、ジムで感染する可能性のある病原因のほんの数例に過ぎないから。

水虫と爪水虫
「真菌はジムの至る所にいるので、プールサイド、シャワー室や更衣室をはだしで歩くうちに感染しやすい」 と語るのは、ビバリーヒルズの認定皮膚科専門医ツィッポラ・シェインハウス医学博士。「真菌に感染すると、足の側面や裏の皮膚が白くうろこ状になったり、足の指の間の皮膚が白くなってドロッとしたり、爪が分厚くなって黄色く変色したりする。後半の症状は非常に治りにくい」

しかも、トレッドミルやサイクリングマシンが好きな人は、爪先や爪をシューズのフロントにぶつけやすい。

「そのせいで、爪の下の皮膚から爪が持ち上がる。真菌にとっては爪の下に入り込み、実質上 “移り住む” 絶好のチャンス」

局部的な塗り薬や経口真菌薬での治療が可能だけど、このような厄介な問題は未然に防ぐのがベスト。ジムの中では常にシューズを履いて、足を清潔に、乾いた状態に保とう。

緑膿菌
この細菌は温水で育ち、温水プールやジャグジーに生息することで有名。『Skin Rules: Trade Secrets From a Top New York Dermatologist』の著者で認定皮膚科専門医のデブラ・ジャリマン医学博士によると、入浴中に毛根を包む組織である毛包に感染し、痒くて赤いブツブツした発疹が現れる毛包炎を引き起こすこともあるんだそう。

水着が触れていた部分では特に症状がひどいかも。ジャリマン博士は、ホワイトビネガーと冷水を1:1で混ぜて布に染み込ませ、1日2回、15分ほど患部に当てるようアドバイスしている。

ステロイドであるヒドロコルチゾンのクリームを痒い部分に使うこともできる。どちらでも改善しなければ、皮膚科で抗生物質をもらう必要があるかもしれない。「この発疹を避ける唯一の方法は、塩素濃度が適切(1.0~3.0ppm)な温水プールやジャグジーに入り、出たらすぐに水着を脱いでシャワーを浴びること」

風邪とインフルエンザウイルス
米国疾病管理予防センターによると、風邪とインフルエンザのウイルスは皮膚の中で最大3時間、皮膚の表面で最大4時間生息できる。「つまり、どんな共有ジム設備(スピンバイク、ハンドルバー、トレッドミルのパネル、フリーウエイトなど)にも、風邪やインフルエンザの菌が隠れている可能性があるということ」 とシェインハウス博士。

ウイルスの感染リスクを下げるには、使用前に器具を拭き、ワークアウト中に鼻や口を触らないこと。ワークアウトが終わったら、手を洗うのも忘れずに。

黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は、皮膚と鼻の中に生息する細菌。シェインハウス博士によれば、「ワークアウト中に鼻を拭いたり、すでに自分の皮膚に持っていたりすると、この細菌をジムの器具に移してしまう。あなたの次の利用者の皮膚に傷があると、黄色ブドウ球菌が入り込み、ブツブツした発疹、深刻な皮膚の腫れや発熱といった症状が出ることも」

黄色ブドウ球菌の感染症は通常軽いけれど、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)と呼ばれる、抗生物質に強い攻撃的な黄色ブドウ球菌の場合は話が別。でも、心配ご無用。MRSAに効く抗生物質は存在するので、黄色ブドウ球菌に感染したら病院で処方箋をもらおう。

ヒトパピローマウイルス(HPV)
「HPVは、足底疣贅(そくていゆうぜい。足の裏のイボ)の原因になるウイルスと同じ科に属するウイルス」 と語るのは、米オハイオ州立大学ウェクスラー医療センター家庭医学助教授のランディ・ウェクスラー医学博士。「皮膚同士の接触や、トイレやシャワー室を裸足で歩き回ることでも感染する」

このような場所では必ずスリッパを履き、足の裏にイボができたら病院で取ってもらおう。

レンサ球菌
スキンケアブランド「LovelySkin」の設立者で認定皮膚科専門医のジョエル・シュレシンガー医学博士によると、「レンサ球菌は非常に伝染しやすく、皮膚の接触、咳やくしゃみなどの飛沫、そしてエクササイズ器具などの表面を通して広がる」 という。「レンサ球菌咽頭炎を引き起こすだけでなく、この細菌は皮膚の感染症や水膨れの原因にもなる」

通常、軽度のレンサ球菌感染症は自然によくなるけれど、皮膚感染や深刻な感染症(肺炎など)には一連の抗生物質治療が必要になる。

大腸菌とA型肝炎ウイルス
シェインハウス博士によれば、「大腸菌は細菌で、A型肝炎ウイルスは文字通りウイルス。どちらも糞口経路(糞便の中のウイルスが口や鼻に入る)で感染する」。つまり、便に含まれる細菌を摂取して病気になる可能性があるということ。トイレを使った後に手をしっかり洗わなかったり、ちゃん乾かさなかったりすると、これらの菌がジムのあちこちに付着し、何も知らない人がワークアウト中に口を触って感染しかねない。

大腸菌感染症でもA型肝炎でも筋けいれん、下痢、嘔吐といった軽度~重度の症状が現れる。大腸菌の場合には、ただ苦痛が過ぎるのを待つのが一般的。ただし、症状が悪化したら病院へ。アメリカのメイヨー・クリニックによれば、A型肝炎ウイルスに接触したと思うなら、2週間以内にA型肝炎のワクチンを打ってもらえば重度の感染症が防げることも。いざ症状が出始めたら、医師の指示に従って。

※この記事は当初、アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

※記事内の治療法や対処は取材対象者の見解です。症状や悩みが現れたときは自己判断せず、医療機関を受診することをおすすめします。

Text: Krissy Brady Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images