ノルウェーの研究チームが、歌は体に良いことを突き止めたそう。その内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。
この研究では、病院の従業員が合唱団に参加したところ、健康が改善し、仕事への意欲も増したことが判明。この研究文献の著者で、ノルウェーのヌール・トロンデラーグ・ヘルストラストの臨床心理学者ジョナス・ヴァーグによれば、これは歌唱のような文化活動を通して形成される社会的な絆が、心と体の健康にポジティブな影響を与えるから。イギリスの研究では、歌うことで幸福ホルモンのエンドルフィンが分泌されるので、ハッピーで楽しい気分になることも明らかとなったそう。
音楽で暮らしをさらに向上させる、5つの方法をチェックして!
1.ラップでよりクリエイティブに
映画『8マイル』のエミネムのように、思いのままにラップバトルを始めてみよう。米国立保健研究所の調べでは、歌詞を即興で作ることで、クリエイティブな思考を司る脳の前頭葉前部皮質が働くそう。前頭葉前部皮質が活性化すると、新たな洞察力が芽生えたり、想像力が一気に膨らんだりする。良し悪しを判断するために止まることなく、好きなだけアイディアを出してみて。クリエイティブな思考に火が付くはず。
2.クラシック音楽で集中力アップ
バッハを思いっきり楽しもう。米スタンフォード大学が行った脳スキャン実験の結果、クラシック音楽は集中力を高め、情報の処理を促進することが分かった。バロック音楽を代表するバッハやヘンデルといった作曲家が生み出した、常に変化する複雑な交響曲なら特に効果が期待できる。脳が特定の何かを待っているところに予想外の和音や調和音が聴こえれば、認知機能が驚く。研究チームいわく、これが注意力や予知能力を司る脳領域をシャープにするそう。
3.アップテンポな曲でスピードアップ
英ブルーネルが実施した2つの研究の結果、音楽はサイクリストのペースと走行時間を改善し、バスケットボール選手の大会当日の緊張を和らげたという。どうやら、音楽には中枢神経系を活性化すると同時に、不快感や困難なことから気を反らす力があるらしい。身体的な活動に最も効果的なのは、テンポの速いエネルギッシュな曲。本番前の心の準備には、クライマックスが近づくにつれて盛り上がるインスピレーショナルな曲がいいんだそう。
4.お気に入りの曲は本当に効果的
カナダのマギル大学の研究によって、音楽に心が動かされると、食事やセックスといった官能的な経験による喜びを高める脳内の神経伝達物質であるドーパミンが分泌されることが判明したそう。ドーパミンの分泌には、ゾクゾクする感動が不可欠。つまり、彼氏とのロマンティックな時間を楽しみたければ、それが名画『ショーシャンクの空に』のサントラであろうと、アメリカのロックバンドFun.の『We Are Young』であろうと、とにかくインスピレーションを与えてくれる一曲が必要。さもなければ、いつまでも美味しいチーズバーガーで味覚を刺激して。
5.特定の和音で癒される
歯医者はよく知っている。米ケンタッキー大学の実験では、治療の前・最中・後に落ち着いた音楽を聴いていた患者には痛みと不安の緩和が見られ、鎮静剤の量も少なくて済んだという。この研究文献の著者で同大学の音楽療法学部長ロリー・グッディング博士によると、これは耳障りな背景の雑音に聞き手の感情が巻き込まれ、結果として痛みを忘れさせてくれるから。エンヤ、ジム・ブリックマン、バート&ジョー・ウルフなど、痛みを軽減することが実証されたアーティストの音楽でリラックスしよう。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Markham Heid Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images