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職場でのメンタルヘルスに関する2017年の調査によると、会社員の60%以上が、仕事がらみのメンタルな不調を訴えたことがあるそう。この数字をみてもあまり驚かないかもしれないけれど、この調査で、上司に相談できると答えた人はたったの11%だということは意外かもしれない。

不安やストレス、うつとのつきあい方、必要な助けをどうやって求めるかについてはもう少し対処が必要な問題といえる。

イギリスのメンタルヘルス財団によると、一般的な不安障害はかかりつけ医のメンタルヘルスのケースの30%以上にものぼるそう。でも病院にはかからず、軽度から中度の不安にひとりで悩む人はさらにいると思われている。催眠療法士でベストセラー作家でもあるクロエ・ブロサリッジは、催眠療法を求めてくる患者のうちもっとも多いのが不安障害だと話す。

不安障害はいろいろな症状で現れる。たとえば、恐怖症や強迫神経症や髪を引っ張るなどの症状もこれにあたる。その中でもっともよく見られるのは、全般性不安障害で、これは「慢性的に心配な状態」とも呼べる。「約束の時間に来ていないということは、もしかして事故にあったのかも」と無駄に心配したり、なかなか眠れなかったり、お腹の調子が悪かったり、身体が緊張するなどの症状がある。もちろん、誰もがこういった状態になることはあるが、常にこうで毎日に影響しているようであれば一度病院にいったほうがよい。

はじめの一歩は、問題があることを認めてそれをどうにかしようと決めることだそう。なにか不安障害の症状らしきものがあるのなら、病院でまずきちんと診断してもらうことが大切。

そして毎日の中ではこれから紹介するような、根拠のある対処方法をためすこと。

1.気をまぎらわす 

これは長期的な解決策ではないけれど、気をまぎらわすことで不安をやわらげて、不安のスパイラルから抜け出すことができる。

もし、なにか不安な気持ちや考えが出てきたら自分にストップをかけて。そしてすぐ他にすることを見つけて。たとえば、友人に電話をしたり、外にランニングに行ったり、なにか書いてみたり。呼吸に集中するのでもよい。

2. 呼吸する

意識して呼吸をコントロールすることは、脳の不安をしずめてくれる。これは、脳の副交感神経を刺激してくれるため。

おなかが風船のように膨らむのを見ながら息を吸って、次に息を吐きながらおなかを平らにして。リラックスして座り7カウントで息を吸い、11カウントで息を吐いて。

カウントのスピードは速くてもゆっくりでも自分のペースでよい。ただし、吸う息と吐く息の割合はキープするようにして。これを数分間か、気持ちが落ち着くまでやってみて。

3. 考えていることは事実ではない

なにかを考えたからといって、それは必ずしも事実ではない。不安な想像の多くは合理的ではないし、間違っている。職場で誰かにきらわれている? でも落ち着いて考えて。なにも理由が見当たらないのなら、きっとそれは最悪な状況を考えてしまう、ただの思考の癖。

4. 書き出す

書くことは物事を整理するのに役に立つだけでなく、書くという行為自体が潜在意識に影響を与えるそう。

不安とつきあっているのなら、毎日書くというエクササイズをためしてみると良いかもしれない。たとえば朝起きたとき、夜眠れないときなどに意識していることを書いてみよう。不安なことや心配なこと、自分の気持ちを全部書き出せばすっきりするはず。それが終わったら次は、ポジティブなことに目を向けて、自分が感謝していることを書き出そう。

研究によると、感謝の気持ちは健康にも良い影響があるそう。家族や友達、家庭や健康といった大きなことから、今日の天気や朝のコーヒーがおいしかったことなどの小さなことまでなんでも良いので書こう。

これが終わったら、どんな気分でいたいかを自分で決めて。たとえば、安心してリラックスな自分でいる、だったり、自分のことをコントロールできている、なにも心配することはない、など。

これは潜在意識にはたらきかけるため、現在形で言うのがポイント。潜在意識にはたらきかけるのは、不安への対処法としてとても効果がある。

5. 自分の質問に自分で答える

これは認知行動療法のテクニックのひとつ。心配ごとを書き出して、それに対して合理的な反応をしてみよう。たとえば、「プレゼンが大失敗だった。自分は失敗者でなにもうまくいっていない」と書いたとしたら、それに対して「プレゼンは思ったよりうまくいかなかったかもしれないけれど、次に生かせる学びもたくさんあったし、何日かしたら気にならなくなる」と答えられるかもしれない。自分の親友が答えてくれているシーンを想像してみてもいい。

自分の不安や悩みを書き出して、それに答えるというのはものごとをもっと合理的に自分を見るトレーニングになる。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Chloe Brotheridge Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images