目の下のクマを疲れのせいにすることが多いけど、寝る時間がなかっただけで目の下の色素沈着は起こらない。科学者いわく、そのクマは忙しさからじゃないみたい。その内容をUK版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
そのワケを理解するために、手首を見てみよう。血は赤いのに血管は青く見える。これは肌に触れる光の波長によって色の見え方が変わるから。基本的に青い光ほど目に反射されやすいので、脳は血管が青いと錯覚することになる。
クマが黒っぽく見えるのはなぜだろう? 目の下は体の中で最も皮下脂肪の少ない部分の一つ。だから血管がより透けて見え、光がこの血管に反射し、くまが出現するのだ。
もうちょっと掘り下げてみよう。あらゆる生活シーンと同様に、目の下のクマもストレスによって悪化する。
まず、ホルモン。
疲れやストレスを抱えていると、血中のグルコース値を高めて活力を増進するために体がコルチゾールを生成する。時間と共に、このストレスホルモンはいくつかの血管を収縮し、その他の血管を拡張する。アライグマのようになった目の下では、血管がコルチゾールによって拡張されているのだ。
でも、重苦しい顔になる理由はこれ以外に4つある。
1.遺伝
厄介なクマは、眼窩周囲色素沈着過剰という疾患のせいかもしれない。これは皮膚科で最も頻繁に見受けられる症状の一つ。色の濃い肌にはメラニンが多く含まれ、目の下に過剰な色素を沈着させることがあるのだ。
2.アレルギー
米国メイヨー・クリニックによると、季節的なアレルギーも目の下にクマを作る。アレルギーを発症すると免疫システムがヒスタミンと呼ばれる化合物を分泌するのだが、これが血管を拡張させる。痒いからと言ってこすっていると、ますます腫れぼったい目になってしまう。
3.紫外線によるダメージ
皮膚と美容整形手術に関する専門誌に掲載された研究では、紫外線を浴びると目の下にクマが出来ることが発覚。
紫外線を浴びれば浴びるほど肌へのダメージは決定的なものとなり、DNAが破壊される。これが目の下の薄膜に影響を与え、血管がよりハッキリ浮かび上がることに。
4.老化
歳を重ねるにつれ皮下脂肪は減る。そして残る脂肪は若い頃よりずっと薄い。理論的には素晴らしい話かもしれないけれど、これは元々薄い目の下の皮下脂肪が更に薄くなるということ。さらに弾力性もなくなるので肌がたるみ、ますますアライグマのような目になることに。
Text: Maggie Baska Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images