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人と一緒にいなくても楽しむおひとりさま時間。セレブだって一人で出かけるのが好きな人もたくさんいる。でも、もちろんセレブだけでなくは私たちも「おひとりさま」のメリットはたくさんある。

お店で人数を一人です、と伝えるのを想像するだけで、誰でもいいから一緒に来てくれる人はいないものか、と電話帳をスクロールしてしまうかもしれないけれど、実は一人で過ごすことももっと大事にされてもいい。

「一人で過ごす時間は、自分の気持ちと対峙する時間になり、他人の意見に左右されずに感情と向き合うことができる」と心理学者のエマ・ケニー。「散歩をするのでも、コーヒーを飲むのでも、ただ人間観察をするのでもいいけれど、『一人の時間』というものを作ることで自信をつけ、自立をを促すことができる」と話す。

自分と自分

「問題は、あの使い古された『おひとりさま時間』というのが、自堕落な印象を与えてしまうこと。あのフレーズはもちろん今でも使われているけれど、女性がおひとりさま時間をするとなる、ワイン片手にゆっくりお風呂にはいる、というようなイメージが強い。だけどこれはちょっとイメージが狭すぎる」と話すのは、アメリカのマウントセントメアリー大学の心理学の教授、ケイトリン・ファース。

なぜ、せっかくの一人の時間をCMのように家で過ごさなくてはいけなにのか。それは、外でやるようなことは複数人でやるようなイメージがついているから。そして、一人で楽しむのは恥ずかしいことのように思わされているからだそう。

「これは、そういった一人の状況で『スポットライト効果』が働くから。まるでみんなが自分のことを見て、それで判断されていると思うから。これは、毎日のことはたいてい誰かとやるのでそれになれているから。子供の時なら親と、学校では友達と、大人になってからは同僚と、といったように。だから、一人でなにかすることに慣れていない」とケニー氏。

一人でやってみよう

でも、この恐怖に負けてしまうのはもったいない。2015年の「Journal Of Consumer Research」という消費者行動の研究によると、被験者がなにか(この場合は美術館に行く)を一人でやった時も、2人でやったときと同じくらい楽しめたという結果が出ているそう。

「なにかを一人でやる場合も、他人にどう思われるかを心配する必要がない」とケニー氏は言う。「その体験は、一人だからこそなんの無理もなく、やりたいこともちゃんとできる」。周りの視線は気にならない? と心配するかもしれないけれど、もし一人だということに誰かが気づいたとしても、友達がいない人と思うのではなく、尊敬のまなざしで見るはず。研究によると、一人を楽しむことのできる女性は、オープンマインドで好奇心が旺盛だという。一人で過ごすことで自信もつき、ストレスが減り、さらに自分自身のことをもっとよく知る機会となる。

「はじめは少しぎこちないかもしれないけれど、それに慣れるには続けること。一人でいることを繰り返せばそれが自然になっていくはず」とケニー氏。どう? 一人席も少し怖くなくなったのでは?

みんなのおひとりさま体験

既に一人の時間を楽しんでいる人たちも。ぜひそんな彼女たちの意見も聞いてみて。

エイミー・レイ・スミス(35歳)

「一人で映画を見るのは好き。誰かを連れて行って、構う必要がないので。この時間は母でも妻でも、友達のセラピストでもなく、自分になれる時間だから」

ナタッシャ・ハッサーニー(38歳)

「近くのコーヒーショップに一人で行くのが大好き。そこで人間観察をしている。一歩引いて物事を俯瞰するための大切な時間。仕事や家族のことだけでなく、自分を見つめ直せる時間」

ソフィー・マシューズ(31歳)

「オープンマイクナイトには一人でよく行く。誰かと行くと、会話で聞こえなくなるけれど、一人で行くと、アーティストに集中できるので」

ビクトリア・ホルムズ(34歳)

「恋人と別れてからは一人で行動するようになった。それまでは、変わったところには一人ではいけなかったけれど、一人で旅行している面白い人にたくさん会えた」

Text:UK版「ウィメンズヘルス」編集部 Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images